「退職した元従業員がSNSに会社の悪口を書いている」「転職サイトに事実と異なる口コミを投稿された」
このような相談が、近年急増しています。
ネット上のネガティブな書き込みは、企業の採用活動や取引先との関係、さらには売上にまで影響を及ぼしかねません。
しかし、「訴えたいけど、本当に勝てるの?」「費用はどのくらいかかるの?」と、具体的な対応に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
今回は、ネット上の誹謗中傷問題に精通し、本コラムの監修者でもある清水陽平先生(法律事務所アルシエン 共同代表パートナー)に直撃取材。
「会社の悪口」をSNSに書いた元従業員を法的に訴えることができるのか、具体的な法的措置から費用、予防策まで、詳しくお話を伺いました。
元従業員のSNS投稿は名誉毀損になる?民事と刑事の違いを理解する
ライター: 清水弁護士、本日はよろしくお願いします。
早速ですが、元従業員がSNSに会社の悪口を書いた場合、法的に「名誉毀損」として訴えることは可能なのでしょうか?
清水弁護士: はい、結論から言うと可能です。
ただし、まず大前提として理解していただきたいのが、「民事上の名誉毀損」と「刑事上の名誉毀損(名誉毀損罪)」は異なるということです。
企業が元従業員に損害賠償を請求するのは民事の問題、警察に告訴して処罰を求めるのは刑事の問題です。今回は、企業が取りうる対応として最も一般的な民事上の名誉毀損(損害賠償請求)を中心にお話しします。
民事上の名誉毀損が成立する条件
清水弁護士: 民事上の名誉毀損が成立するかどうかは、「その投稿によって会社の社会的評価が低下したか」が最も重要なポイントになります。
ここで言う「社会的評価」とは、取引先・顧客・求職者など第三者から見たときの、その企業の信用や信頼のことです。投稿によってこの社会的評価が低下すれば、名誉毀損は一応成立します。
ライター: 刑事の名誉毀損罪では「事実の摘示」が要件だと聞いたことがありますが、民事では違うのですか?
清水弁護士: はい、そこが重要な違いです。刑法230条1項の名誉毀損罪は「事実を摘示」することが成立要件となっており、事実の摘示がない場合は侮辱罪(刑法231条)として区別されます。
しかし、民事では「事実の摘示」は成立要件ではありません。社会的評価を低下させる表現であれば、具体的な事実を示していなくても名誉毀損は成立しうるのです。
| 民事上の名誉毀損 | 刑事上の名誉毀損罪 | |
|---|---|---|
| 目的 | 損害の回復(損害賠償請求など) | 加害者の処罰 |
| 成立の核心 | 社会的評価の低下 | 公然と事実を摘示して名誉を毀損 |
| 事実摘示の要否 | 必ずしも必要ない | 必要(ないと侮辱罪) |
| 根拠法 | 民法709条(不法行為) | 刑法230条1項 |
民事上の名誉毀損の2つのタイプ
清水弁護士: 民事上の名誉毀損は、表現の内容によって大きく2つのタイプに分類されます。
- 事実摘示型: 「A社ではサービス残業が横行している」「B部長によるパワハラで退職者が続出している」といった、証拠によって真偽を判断できる具体的な事実を示すもの。
- 意見論評型: 「あの会社は最悪だった」「この会社には将来性がない」といった、投稿者の意見・感想・評価を述べるもの。
重要なのは、どちらのタイプであっても、それによって会社の社会的評価が低下すれば、名誉毀損は成立しうるという点です。
ライター: では、「あの会社は最悪だった」のような抽象的な感想でも、名誉毀損になりうるのですか?
清水弁護士: 状況によります。単に「最悪だった」だけでは、社会的評価を低下させるとは認められにくいでしょう。しかし、前後の文脈や投稿全体を見たときに、読者に対して「あの会社は信用できない」「労働環境が悪い」といった具体的なネガティブイメージを与える内容であれば、意見論評型の名誉毀損として認められる可能性があります。
法人(会社)に対する名誉毀損の特徴
ライター: 名誉毀損というと個人の問題と思われがちですが、会社も権利主張できるのですね。
清水弁護士: はい、もちろんです。 民法709条は「他人」に対する不法行為を定めますが、「人」には自然人のほか法人が含まれると解釈されています。 法人も社会的信用がなければ事業活動を行うことができないので、社会的評価が低下すれば名誉毀損の問題が生じることになります。
したがって、「あの会社は違法な製品を販売している」といった書き込みは、企業の社会的信用を低下させるため、法人に対する名誉毀損の問題になります。
事実を書かれても名誉毀損?「違法性阻却事由」を弁護士が解説
ライター: 「内容が真実か嘘かに関わらず」名誉毀損は成立しうるとのお話がありました。
この点は多くの方が誤解しているポイントだと思います。
事実を書かれても訴えられるというのは、なぜなのでしょうか?
事実でも名誉毀損が成立する理由
清水弁護士: 名誉毀損を考える際のポイントは「事実」と「真実」は異なるということです。「事実」とは具体的な事実関係に言及しているということであり、「真実」とは発言内容等が本当かどうかということです。
一般の言葉で「事実無根」と言った場合、これは「真実に反している」という意味になりますが、名誉毀損の場面では両社は別の意味を持つ言葉であると捉える必要があります。したがって、その書き込みが「真実か嘘か」とは無関係に、あくまで「人の社会的評価を低下させたか」を問題にする必要があり、不特定多数の人が見る場所に書き込むことで社会的評価が下がるといえれば名誉毀損は成立しうるのです。
ライター: 「本当のことだから何を書いてもいいだろう」という考えは通用しない、ということですね。
名誉毀損が免責される条件(違法性阻却事由)
清水弁護士: ただし、例外があります。
たとえ社会的評価の低下があるといえるとしても、一定の条件を満たす場合には、例外的に違法性がなくなることがあります。 これを「違法性阻却事由(いほうせいそきゃくじゆう)」と呼びます。
この条件は、「事実摘示型」と「意見論評型」で少し異なります。
- 公共の利害に関する事実であること(公共性)
- その目的が専ら公益を図ることにあったこと(公益目的)
- 摘示した事実が真実であることの証明があったこと(真実性)
- 公共の利害に関する事実であること(公共性)
- その目的が専ら公益を図ることにあったこと(公益目的)
- 意見・論評の前提としている事実の重要部分が真実であること(真実性)
- 人身攻撃に及ぶなど意見論評としての域を逸脱したものでないこと(非逸脱性)
実務上の争点は「真実性」に集中する
ライター: 一般的に、元従業員の投稿は「公益目的」が認められにくいと言われることがありますが、実際はどうなのでしょうか?
清水弁護士: 実務上、「公共性」や「公益目的」が欠けるとされることはほぼありません。したがって、裁判で実質的な争点となるのは、ほとんどが「真実性」です。 つまり、「書かれた内容が本当に事実なのか?」という点が、裁判の行方を左右します。
ライター: 「公益目的」はあまり重視されないのですか?
清水弁護士: 「嫌がらせのためにやる」といった宣言を別の場所でしている場合に公益目的が欠けるとすることはあり得るかもしれませんが、重視されません。投稿者の動機は必ずしも一つとは限らないことからも、このような結論はやむを得ないといえます。
だからこそ、企業としては「投稿内容が真実ではない(反真実である)」ことを、客観的な証拠をもって立証できるかどうかが勝負の分かれ目になります。
元従業員の投稿に対抗するために必要なこと
ライター: では、元従業員による「残業代が支払われなかった」といった投稿が真実だった場合、企業は対抗できないのでしょうか?
清水弁護士: その投稿内容が真実であれば、残念ながら名誉毀損として責任を追及することは難しくなります。
逆に言えば、企業が日頃から適切な労務管理を行い、それを証明できる証拠(タイムカード、給与明細、就業規則、社内調査報告など)を整備しておけば、虚偽の投稿に対しては「これは真実ではない」と反論できます。
名誉毀損対策は、「いざという時に証拠を出せる社内体制づくり」と直結しているのです。
匿名の投稿者を特定する「発信者情報開示請求」の流れと期間
ライター: SNSや掲示板の投稿は匿名で行われることがほとんどです。
悪質な書き込みをした元従業員を訴えるには、まず誰が書いたのかを特定する必要がありますよね。
そのための手続きについて教えてください。
発信者情報開示請求とは?
清水弁護士: 匿名の投稿者を特定するためには、情報流通プラットフォーム対処法という法律に基づいて「発信者情報開示請求」という手続きを行います。 特定するためのルートはいくつかありますが、一般的にはIPアドレスを辿って特定することになります。
基本的には、同法の定める「発信者情報開示命令事件」という裁判手続を用い、「発信者情報開示命令」の申立てに付随して、「提供命令」という申立てを行うことになります。
提供命令は、
- コンテンツプロバイダ(=CP。SNSや掲示板など)に対して、発信に使われたアクセスプロバイダ(=AP。ドコモ、KDDI、ソフトバンクなど)を明らかにさせる
- 明らかになったAPに対して、別途発信者情報開示命令事件の申し立てをする
- CPに対して、APへの申立てをしたことを通知し、CPからAPに、CPが保有するIPアドレス等の情報を提供させる
- APがログを調査して、保有していることが明らかになればAPと保有情報(氏名、住所等)の開示を争う
というのが基本的な手続きとなります。
投稿者特定までにかかる期間の目安
ライター: どのくらいの時間がかかるのでしょうか。
清水弁護士: 裁判手続であるため、残念ながら時間はかかります。
サイト管理者やプロバイダの対応速度、裁判所の審理期間などにもよりますが、一般的には投稿者を特定できるまでに早くて3ヶ月から6ヶ月程度、場合によってはそれ以上かかることもあります。
ライター: ログの保存期間も気になります。
時間がかかっている間に証拠が消えてしまうリスクはありませんか?
清水弁護士: 非常に重要な点です。
プロバイダがログを保存している期間は、通常3ヶ月程度とされています。
そのため、書き込みを発見したら、迅速に手続きに着手しないと、ログが消去されて特定が不可能になってしまう恐れがあります。

損害賠償請求の相場と費用対効果を弁護士が本音で解説
ライター: 無事に投稿者を特定できたとして、次に気になるのが「お金」の話です。
損害賠償はいくらくらい請求できるのか、また、特定にかかる弁護士費用はどのくらいなのか、費用対効果について教えてください。
法人への誹謗中傷で認められる損害賠償の相場
清水弁護士: 慰謝料や無形損害(法人に対する慰謝料のようなもの)の相場は30万円から60万円程度となるケースが多いです。
もちろん、これはあくまで目安であり、書き込みの内容の悪質性、拡散の程度、企業の規模、実際に生じた損害(売上減少など)によって金額は変動します。
また、特定のために費用を要している場合には、調査費用としてかかった費用の賠償が認められます。ただし、全額が認められるとは限らず、どのくらい認められるかは最終的に裁判官次第です。
発信者情報開示請求にかかる弁護士費用の目安
清水弁護士: 一方で、発信者情報開示請求を弁護士に依頼する場合の費用ですが、法律事務所によって料金体系は異なりますが、一般的には着手金と報酬金を合わせて60万円から100万円程度かかることが多いでしょう。
ライター: ということは、損害賠償で得られる金額よりも、特定にかかる弁護士費用の方が高くなってしまう「費用倒れ」のリスクがあるわけですね。
「費用倒れ」のリスクと、それでも訴える価値
清水弁護士: 正直に申し上げて、その可能性は十分にあります。
金銭的な回収だけを目的とするならば、費用倒れになるリスクは考慮しなければなりません。
しかし、それでも法的措置に踏み切る企業が多いのは、お金には代えられない価値があるからです。
- 再発防止効果: 投稿者に責任を取らせることで、模倣犯やさらなる書き込みを抑止する。
- レピュテーションの回復: 企業として毅然とした対応を示すことで、内外からの信頼を回復する。
- 被害拡大の抑止: 放置することで拡散・炎上するリスクを防ぐ。
- 従業員へのメッセージ: 会社は従業員や自社の名誉を守るという強い姿勢を示す。
ライター: 私もブランドセキュリティ部門にいた頃、多くの経営者様が「費用がかかっても、会社のブランドと真面目に働く社員たちを守りたい」とおっしゃっていたのを思い出します。
短期的なコストだけでなく、長期的なブランド価値を守るという視点が重要ですね。
名誉毀損以外に問える法的責任と刑事告訴の選択肢
ライター: 書き込みの内容によっては、名誉毀損以外の罪に問える可能性はありますか?
清水弁護士: あります。侮辱罪のほか「信用毀損罪」や「業務妨害罪」が成立する余地があります。
信用毀損罪・偽計業務妨害罪とは
清水弁護士: 信用毀損罪と、業務妨害罪のうち偽計業務妨害罪は刑法233条前段に、威力業務妨害罪は刑法234条に定められています。
信用毀損罪
嘘の情報を流して、人の経済的な信用(支払い能力や製品・サービスの品質に対する信頼など)を傷つける犯罪です。 例えば、「A社は倒産寸前だ」「B社の商品は有害物質まみれだ」といった虚偽の情報を流す行為が該当します。
偽計業務妨害罪
人をだましたり、勘違いさせたりするような手段(偽計)を用いて、業務を妨害する犯罪です。 例えば、無言電話を大量にかける、虚偽の予約を大量に入れるといった行為がこれにあたります。
威力業務妨害罪
人の自由意思を制圧するに足る勢力を示すことで、業務を妨害する犯罪です。 典型例は、爆破予告行為です。
名誉毀損が「社会的評価」全般を保護するのに対し、信用毀損罪は「経済的な信用」、業務妨害罪は「円滑な業務の遂行」を保護するという点で違いがあります。
参考: https://news.tnc.co.jp/news/articles/NID2025110727917
刑事告訴のメリットと注意点
ライター: 民事の損害賠償請求とは別に、警察に刑事告訴するという選択肢もあるのですね。
清水弁護士: はい。
刑事告訴は、犯罪の捜査と処罰を求める手続きです。
メリットとしては、国が捜査機関を動かして犯人を処罰してくれるため、企業として非常に強い姿勢を示すことができます。
ただし、注意点もあります。
刑事告訴の目的はあくまで犯人を処罰することであり、損害賠償金が支払われるわけではありません。
また、警察が必ず捜査してくれるとは限らず、証拠が不十分な場合や被害が軽微だと判断された場合には、受理されないこともあります。
民事での損害賠償請求と、刑事での責任追及は、目的が異なるため、どちらの手続きを選択するか、あるいは両方を進めるかは、状況に応じて慎重に判断する必要があります。
元従業員の誹謗中傷を防ぐ!企業がとるべき予防策
ライター: これまでは問題が起きてからの「事後対応」について伺ってきましたが、最も重要なのは、そもそもこうしたトラブルを起こさせない「予防策」だと思います。
私の経験上でも、予防策をしっかり講じている企業は、トラブルの発生率が格段に低いと感じます。
企業はどのような対策をとるべきでしょうか。
就業規則・誓約書の整備ポイント
清水弁護士: まず基本となるのが、社内ルールの整備です。
具体的には、就業規則や、入社時・退職時に取り交わす誓約書に、SNSの利用に関するルールや秘密保持義務について明確に記載しておくことが重要です。
- 在職中および退職後に、業務上知り得た秘密情報や個人情報を漏洩しないこと。
- SNS等で会社や役職員、取引先を誹謗中傷する内容を投稿しないこと。
- 上記に違反した場合、懲戒処分の対象となることや、法的措置をとる可能性があること。
清水弁護士: 私の著書『サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル』でも詳しく解説していますが、ルールを明文化し、従業員に「これはやってはいけないことだ」と明確に認識させることが、トラブルの第一の抑止力になります。
SNSリスクリテラシー研修の重要性
ライター: ルールを作るだけでなく、その背景やリスクを従業員一人ひとりに理解してもらうことも大切ですよね。
清水弁護士: まさにその通りです。
定期的にSNSのリスクに関する研修を実施することをお勧めします。
「自分は大丈夫」と思っていても、何気ない投稿が大きな炎上につながるケースは後を絶ちません。
ライター: エルプランニングでも、企業様向けに「SNSリスクリテラシー研修」を提供していますが、「具体的な炎上事例を聞いて、SNSの怖さを初めて実感した」という感想を多くいただきます。
知識として知っているだけでなく、自分ごととして捉えてもらうことが重要ですね。
根本的な対策は「労働環境の改善」
清水弁護士: そして、最も根本的で重要な対策は、言うまでもなく「従業員が不満を抱えにくい職場環境を作ること」です。
法的対応や社内ルールの整備は、あくまで対症療法に過ぎません。
不満を持ったまま退職する従業員を減らす努力、例えば、適切な人事評価、円滑なコミュニケーション、ハラスメント対策などを日頃から行うことが、最大の予防策となります。
ライター: 同感です。
風通しの良い組織風土を醸成し、従業員エンゲージメントを高めることが、結果的に企業のレピュテーションリスクを低減させることにつながりますね。
よくある質問(FAQ)
Q: 転職サイトの口コミも名誉毀損で訴えられますか?
A: はい、転職サイトの口コミも名誉毀損に該当する可能性があります。
転職サイトは不特定多数が閲覧できるため、そこに投稿された内容が会社の社会的評価を低下させるものであれば、名誉毀損が成立する可能性があります。 実際に、転職サイトへの投稿で損害賠償が認められた裁判例も複数存在します。
Q: 投稿者が特定できなかった場合はどうなりますか?
A: 発信者情報開示請求を行っても、投稿者を特定できないケースがあります。
例えば、プロバイダのログ保存期間(通常3ヶ月)が過ぎている場合や、海外の匿名化サービスを経由している場合などです。
特定できなかった場合、損害賠償請求は困難になりますが、サイト管理者への削除請求は別途行うことが可能です。
Q: 元従業員が「事実を書いただけ」と主張した場合は?
A: 事実であっても名誉毀損は成立します。
ただし、その事実が「公共の利害に関する事実」であり、「公益目的」で投稿され、「真実である」ことが証明された場合は、違法性が阻却され損害賠償責任を負わない可能性があります。実務上は、公共性・公益目的は認められやすく、「真実かどうか」が主な争点となります。投稿内容が虚偽であることを企業側が証拠をもって立証できるかがポイントです。
Q: 削除請求と損害賠償請求は同時にできますか?
A: 削除請求はサイト側に請求できますが、損害賠償請求は投稿者を特定しなければできません。投稿者を特定した後に、投稿者に対して削除と損害賠償の両方を請求することは可能です。
Q: 弁護士に依頼せず自分で対応することは可能ですか?
A: 可能です。
しかし、発信者情報開示請求は裁判を使わなくても請求可能ですが、実際に開示させるには裁判手続が必要となるのが普通のため、弁護士への依頼が現実的です。
また、投稿が法的に名誉毀損に該当するかどうかの判断には専門知識が必要なため、早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。
Q: 投稿者が「無敵の人」で支払い能力がない場合は?
A: 投稿者に支払い能力がない場合、残念ながら損害賠償金の回収は困難になります。
しかし、投稿者を特定し法的責任を明確にすること自体に意味があります。
再発防止の効果や、企業としての毅然とした姿勢を示すことで、他の従業員や退職者への牽制にもなります。
まとめ
元従業員によるSNSへの「会社の悪口」は、内容によっては名誉毀損として法的責任を追及することが可能です。
しかし、そのためには発信者情報開示請求という手続きと、決して安くはない費用が必要となります。
本記事の重要ポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 民事と刑事の区別 | 企業が損害賠償を求めるのは民事の問題。刑事の名誉毀損罪とは成立要件が異なる |
| 成立の核心 | 民事では「社会的評価の低下」があれば名誉毀損は一応成立。事実摘示は必須ではない |
| 2つのタイプ | 民事上の名誉毀損には「事実摘示型」と「意見論評型」がある |
| 争点は真実性 | 違法性阻却事由の判断では、実務上「真実性」が主な争点。公益目的はほぼ認められる |
| 企業の対策 | 投稿内容が虚偽であることを証拠で立証できる体制づくりが重要 |
清水弁護士は「費用対効果だけでなく、再発防止や企業ブランドを守るという観点から、法的措置を検討する価値は十分にある」と指摘します。
重要なのは、トラブルが発生した際に迅速かつ適切に対応できる体制を整えておくこと。
そして、日頃から従業員との良好な関係を築き、トラブルの火種を作らない努力を続けることです。
ネット上の誹謗中傷でお悩みの場合は、ログが消えてしまう前に、早い段階で専門家に相談することをお勧めします。
[Firefoxブラウザをご使用のお客様へ]
Firefoxブラウザでのお問い合わせが送信できない場合があります。お手数ではございますが、別のブラウザを使用して送信いただくかお電話にてお問い合わせください。ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。


















