ネット炎上予防

ネットリテラシー研修が企業価値を向上させる?効果的な実施ポイントを紹介

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平成の始まりから今日にかけて企業運営におけるパソコン、インターネットの利用は当たり前となり、今では各個人がスマートフォンを持って誰でもいつでもインターネットにアクセスできる時代になりました。

最近では世界的な新型コロナウイルス感染拡大に伴い「ニューノーマル」という言葉が誕生し、テレワークや在宅勤務の導入がおどろくべきスピードで加速しています。

そこで課題になるのが従業員のネットリテラシーの向上です。常にインターネットに触れることが前提となれば様々なトラブルのリスクが上昇し、ネットリテラシー研修は従業員研修の必須事項になることは間違いありません。

この記事ではネットリテラシーとは何か、ネットリテラシー教育のニーズが高まる背景、ネットリテラシーの低さが招くリスクなどを解説すると共に、ネットリテラシー研修を行う上で意識したいポイントやより効果的にする方法も紹介します。

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そもそもネットリテラシーとは

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ネットリテラシーと似た表現で「ITリテラシー」「情報リテラシー」「メディアリテラシー」などがあります。なんとなく使っている言葉ではありますがそもそもリテラシーとはどういう意味なのでしょうか。

リテラシー、及びネットリテラシ―という言葉は日本大百科全書ではこのように定義されています。

  • リテラシーとはインターネットを正しく使いこなすための知識や能力。インターネットリテラシーともいう。
  • リテラシー(literacy)は読み書きの能力のことで、知識や応用力という意味で使われる。
  • ネット上の情報の正確性を読み取り、情報の取捨選択や適切な対応ができること、電子商取引に正しく対処できること、利用料金や時間に配慮できること、プライバシー保護やセキュリティ対策を講じられることなどをさす。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

つまりネットリテラシーとは「インターネット上での情報の取り扱い方を理解・整理し、活用する能力」と捉えることができるでしょう。

ネットリテラシー研修ニーズの高まりと背景

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学校教育では以前よりされていたネットリテラシー教育を企業や自治体でも実施するようになった背景はどこにあるのでしょうか?ここにはネットリテラシーの世代間ギャップと近年の急速な環境変化があります。

若者世代は、学生のころから携帯電話やスマートフォンを通じてインターネットと一緒に育ってきた世代でもあります。そのため、情報収集も新聞や書籍ではなくインターネットを利用し、テレビよりネット動画を好む傾向があります。一方で40代以上世代は、若い部下ほどネットリテラシーが高いとはいえない人も一定数存在します。

デジタルネイティブである若者世代とデジタルネイティブではない管理職世代、若者はリスクが低いかというとそうではなく、どちらにもネットリテラシーに起因するリスクがあるといえます。

企業による情報漏えい事件の頻発

業務においてメールやWEBアプリケーションを利用したり、データをクラウドに蓄積して利用したりするなど、現代はインターネット通信を介して頻繁に外部と接触しながら、仕事を進めるのが当たり前の時代となっています。しかしそれと同時に、ハッキングによる情報漏えいや標的型攻撃メールによるウイルス感染など、企業が守りたいデータが危険にさらされていることも事実です。

さらに、インターネットに拡散されている情報には根拠のないもの、虚偽の内容も含まれています。それを鵜吞みにせず、真偽を判別して情報を取捨選択できる能力も仕事をするうえで不可欠といえます。

最近ではネットリテラシーの低さを起因とする情報漏えい事件や炎上事件などが頻発しており、ネットリテラシー研修のニーズが高まっている一因になっています。

スマートフォンの普及

スマートフォンの普及により、わたしたちはパソコンがなくても簡単にインターネットにアクセスできるようになりました。

総務省の調査によると2017年時点で13歳~59歳の個人のインターネット利用者の割合は90%を超えています。

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出典 総務省『平成30年度版情報通信白書』

この利用率の高さはスマートフォンの普及によるものと考えられ、実際に普及率は年々右肩上がりとなっています。

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出典 総務省『平成30年度版情報通信白書』

誰でもいつでもどこでも簡単にインターネットにアクセスできる環境とデバイスがあるからこそ、企業としてもしっかりとしたネットリテラシー研修を行う必要が出てきたといえるでしょう。

新型コロナウイルスとテレワーク実施企業の拡大

2020年の最大のトピックは世界的な新型コロナウイルス感染拡大といって間違いないでしょう。4月には緊急事態宣言が発令され、多くの企業が人流の抑制と感染予防のためテレワークを導入することになりました。

対面で行っていた社内会議や商談がWEB会議システムに取って代わり、日常的なコミュニケーションもSlackやチャットを用いることになり、テレワークの状況下、わたしたちは常にインターネットにアクセスしながら仕事を行う時代になってきました。

常にインターネットにアクセスしながら仕事を行うことは先述の情報漏えいのリスクが上がることを意味します。リテラシー不足が大きな事件の引き金になることもあるでしょう。

ネットリテラシー研修で絶対に実施したい2つの内容

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ではネットリテラシー研修で絶対に実施すべき内容とはなんでしょうか?インターネットの世界は毎日のように変化しており、これをやれば間違いないというものはありません。

ここで一番大切になるのは「トレンドを捉えること」と「具体的な事例を提示する」ことにあります。

数年前からプログラムを変更していない企業もこれを機に内容を見直してみてはいかがでしょうか。

SNSリテラシーの必要性

令和のネットリテラシー研修で最も実施したい内容はSNSリテラシー研修です。

「業務とSNSは関係ないので実施の必要はないのでは?」と思うかもしれませんが、大きな間違いです。

SNSを発端とした企業の炎上騒動は年々話題を増やすばかりです。

例えば従業員の不適切な投稿が炎上、ハラスメント被害をTwitterで告発され炎上、公式アカウントの誤爆による炎上、製品への異物の混入が告発され炎上、LINEのやり取りが外部に漏れて炎上などなど、枚挙に暇がありません。

総務庁の調査でも実際に炎上事件がスマートフォンの普及と共に爆発的に増えていることが分かります。

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出典 総務省『令和1年度版情報通信白書』

小学校や中学校でもすでに取り入れられているところも多く、企業でもSNSリテラシーはネットリテラシー研修のなかでも必須項目と言えるでしょう。

事例とトラブル回避術

次に実施したいのは事例とトラブル回避術です。

「ハインリッヒの法則」をみなさんはご存知でしょうか。下記の図が有名ですね。

ハインリッヒの法則

1件の大きな事故・災害の裏には、29件の軽微な事故・災害、そして300件のヒヤリ・ハットがあり、重大災害の防止のためには、事故や災害の発生が予測されたヒヤリ・ハットの段階で対処していくことが必要という業務上のトラブルを未然に防止する考え方のひとつです。

現代では現場でのヒヤリハットと共に、インターネットのヒヤリハットを学ばなければならない時代になりました。

様々なトラブルの事例をもとにどうすればトラブルを回避できたか?を考えることで研修の時間を有意義にすることが出来るでしょう。

ネットリテラシー研修実施の際に意識したい2つのポイント

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実際にネットリテラシー研修を実施する際に企業・講師は何を意識すればよいのでしょうか?せっかく準備をして実施したとしても効果がなければ意味がありませんよね。

具体的には

  • 世代間ギャップを意識したテーマ設定
  • 自分ゴトにできるようなプログラム作り

を意識するとより良いネットリテラシー研修を行うことが出来ます。

世代間ギャップを意識したテーマ設定

まずは「ネットリテラシーには必ず世代間ギャップが存在する」ことを実施側が認識することです。

PC普及期からパソコンに触れている管理職世代は、PCスキルは高いがSNSリテラシーは足りていない。一方でデジタルネイティブである若者世代は、SNSリテラシーは高いがパソコンに触れている機会が少ないためPCスキルが低い。

必ずそうとは言い切れませんがこんな特徴があると言ってもいいと思います。

実施対象の世代に応じて、身近なテーマに沿ったプログラムを組むことが非常に大切です。

自分ゴトにできるようなプログラム作り

ネットリテラシー研修にありがちなのは受講者側が「言われなくてもわかっている」という態度で臨んでいることです。

それも解消するには事例の共有とグループワークを通じた意見交換など、内容を自分ゴトにするプログラムを組むことが重要です。

あらゆる側面で1つの事例を学んでいくことによって「言われなくてもわかっている」から「言われてみればそういう考え方もある」という気付きを1つでも与えられる研修が出来れば実施の意義がでてくるのではないでしょうか。

ネットリテラシー研修をより効果的にする方法

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ネットリテラシー研修を行っても1回で終わってしまうので話しただけになってしまう、もしくは社内講師では説得力がないといった悩みを抱えている方もいるかもしれません。

研修の内容を話しただけで終わらせず、より効果的にする方法を紹介します。

ガイドラインの策定

まずは研修内容に則したガイドラインを策定することです。

対内だけでなく対外に策定したこととその内容を発信することで、社員のリテラシー意識の向上を図ることが出来ます。策定の際は弁護士や専門家の監修を受けているガイドラインを導入するのがおすすめです。

このようなガイドラインは策定しただけでは従業員へ周知されることはありません。ネットリテラシー研修の中でガイドラインの話を行うことも非常に効果的です。

専門家の外部講師の招へい

社内講師では説得力が出せない場合は専門家の外部講師に登壇を依頼することが非常に有効です。

ニュースにはなっていない事例やグループワークのプログラムなど、実用的な教材を持っている場合が多く、相談しながら各部署の社員の現在のネットリテラシー、今後必要とされるネットリテラシーを想定しカリキュラムを提案してもらうことも可能です。

何より日本人は「何を話すか」より「誰が話すか」を重視する国民性があるので餅は餅屋に任せるのもひとつの大きな有効手段といえるでしょう。

まとめ|ネットリテラシー研修はニューノーマル時代の必須科目

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新型コロナウイルスの世界的感染拡大によりビジネスにおけるIT環境は一気に10年進むことになるとも言われています。そんなこれからの時代にネットリテラシー研修は必要不可欠な項目になっていくでしょう。

従業員のリテラシー不足により悩んでいる研修担当者は多く、トラブル発生時の企業へのダメージは年々増すばかりです。

更なる企業価値の向上のため、今回ご紹介したポイントを参考にネットリテラシー研修を継続的に取り組むことをおすすめします。

受講者満足度98%以上!炎上リスクに備える研修
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大企業、官公庁を含め1500名以上が受講した、SNSリスクリテラシー研修。

企業の風評対策実績10年以上のプロフェッショナルが、炎上を知り、未然に防ぐための社員研修を代行致します。

その他にもネット上の投稿、口コミの監視など、炎上予防や風評対策のための様々なご提案が可能です。

監修者
法律事務所アルシエン 共同代表パートナー

清水 陽平

清水陽平弁護士
2007 年弁護士登録(旧60期)。2010 月11 月法律事務所アルシエンを開設。 インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、Twitter、Facebook、Instagramに対する開示請求について、それぞれ日本第1号事案を担当。 主要著書として、「サイト別 ネット中傷・炎上対応マニュアル[第3版]」(弘文堂)、「企業を守る ネット炎上対応の実務」(学陽書房)を出版している。