Bingで自分の知っている会社名や個人名を入力して検索しようとしたら、ネガティブな関連ワードが表示されているのを見つけてしまうことがあります。検索を行うユーザーがこのような表示を目にしてしまうと、その企業や人物に対して良い印象を抱きづらくなってしまいます。
万が一、このような事態に陥った時にも対処できるよう、Bingの検索エンジンの性質やサジェストにネガティブなワードが出現してしまった時の対応方法、また自分で対応できない時の相談先などを紹介します。
Bingの普及率とサジェスト機能の特徴
Bingは、Microsoft独自の検索エンジンで、アメリカではYahoo!に検索技術が採用されています。
日本でWindowsPCを購入すると、MicrosoftEdgeがディフォルトのブラウザとしてインストールされているため、他のブラウザを利用しなければ、Bingで検索することになります。
このため、一定のユーザーが、この検索エンジンを利用しています。
BIngはどのくらい使用されている?
アメリカの統計会社「StatCounter」が調べた結果では、日本国内での検索エンジンのシェア率は、グーグルが67.7%、ヤフーが27.9%で、Bingは3.7%に留まっています。
windows10の起動時に日替わりで写真が表示されるように、BingのTOPにも日替わりで写真が表示されます。また、検索結果もシンプルなため、好んで使用するユーザーや、敢えて、Googleの検索エンジンを使わず、Bingを支持しているユーザーもいます。
参考:ググらない人が増加中 Bingを支持する訳「Googleの独占は嫌なので」|ライブドアニュース
Bingサジェスト機能には、どのような特徴がある?
引用 : Bing
Bingに限らず、検索エンジンには「サジェスト」と呼ばれる機能が備わっています。
英単語のsuggestは「提案する」という意味です。自分が検索したいワードをすると、検索エンジンの方から、関連するワードを示唆してくれるのです。
Bingのサジェスト機能は、正式には「検索候補」と「関連キーワード」の2種類があります。検索候補(オートサジェスト)は、検索窓に出現する検索予測ワードのことです。
上の例では、検索窓に「東京ドーム」と入力すると「座席表」や「イベント」など、東京ドームに関連した検索候補が表示されているのが確認できます。
引用 : Bing
「関連キーワード」とは、キーワードを検索した後の検索結果に表示されるワードのことです。PCのブラウザで検索すると、検索結果の右と下に表示され、スマホの場合には下のみに表示されます。
右に関連キーワードが表示されるのは、Bingのみに見られる特徴です。他の検索エンジンの場合、Googleでは下のみに、Yahooの場合には上下に表示されます。
Bingサジェストの風評被害と、削除の必要性
GoogleやYahoo!と比較すると、Bingは国内で利用するユーザーは少ないですが、サジェストにネガティブなワードが表示されて、風評被害に発展する事があります。
Bingサジェストの仕組み
検索エンジンは決められたロジックに従って、ユーザーが検索した時に、どのような内容を検索結果に表示させるかを決定します。
これを検索アルゴリズムと呼びますが、Bingのアルゴリズムはインターネット上の情報を、以下の点を重視して、検索結果を決定づけます。
- コンテンツ
- リンク
- ソーシャル
「コンテンツ」は、サイトのコンテンツがどのような内容であるか、「リンク」はサイトがどのようなページからリンクされているか、良質なコンテンツからのリンクがあるか、「ソーシャル」はSNSからの流入があるかどうか、という点です。
特にGoogleがコンテンツがユーザーのニーズにマッチしているか、キーワードとサイトのコンテンツの文脈とのマッチングを重要視するのに対して、Bingはサイトのタイトルや見出しなど、ページ内の各設定箇所と、キーワードとのマッチングで、ページを評価する傾向が強いです。
またリンク元のページの内容よりも、信頼できるサイトや関連性の高いページからリンクが張られるかという点、またSNSからの流入を重要視する、という点が特徴的です。
サジェスト汚染とは
引用 : Bing
検索窓で、会社名や個人名のワードを入力した時に、ネガティブなキーワードが表示されることがあります。
インターネット上に、企業の体質を揶揄したり、特定の個人に関する悪口が書かれたサイトが存在して、それらについて検索するユーザーが一定数いれば、上のアルゴリズムに則って、ネガティブな関連ワードがサジェストに表示されてしまうのです。
上の画像は、ある企業名で検索した時に「パワハラ加害者」と表示されてしまったサジェストの表示例です。この企業への入社を考えているユーザーがこの表示を目にしてしまったら、応募をやめてしまうかもしれません。
もし真実の内容でなかったとしても、これらのワードで検索するユーザーが一定数存在して、ネット上にそれらに関する情報が存在していれば、後ろ向きなワードは表示されてしまいます。
Bingサジェストを自分で削除する方法
Bingに限らず検索エンジンは、インターネット上に存在する、膨大な数のWEBサイトを日々巡回して、検索結果に表示させます。
ネット上に存在するの全てが、ポジティブな内容ではありません。そのため、検索エンジンの利用者に不利益を及ぼす情報が検索結果に表示されて、害を及ぼし始めたら、ユーザーの判断で削除の申請を送ることができます。
Bingサジェストを削除できる条件
不都合な検索結果が表示されてしまうことで、企業の営利活動に不都合な影響を及ぼす前に、Bingに要請することで、下に該当する内容を検索結果から、削除してもらえる可能性があります。
- 政府、個人、あるいはそれ以外からの法的な要請
- 包括的なアプローチによる法的な依頼の分野の例
- 児童の性的虐待に関するコンテンツ
- 著作権侵害
- 品質、安全性、およびユーザーの要請
- スパム
- 同意を得ずに配布された性的関係画像を含む機密性の高い個人情報
- アダルトコンテンツ
- 警告 (医薬品の違法販売、マルウェア)
上のルールに基づいて、会社や個人の名誉を棄損するようなサジェストワードも、法的な根拠があれば、ユーザー側から申請を行うことで削除してもらえるかもしれないのです。
Bingサジェスト削除の申請方法
引用 : Bing に関する問題を報告
Bingの関連キーワード、サジェストワードの削除申請の方法は、どのように行えば良いのでしょうか。具体的な手順について紹介してきます。
1.「Bingに対する問題を報告」ページに進みます。
2.「問題点について教えてください」というメニュ―が開いたら 「もう1つ問題があります」にチェックを入れます。
3.「Bing 検索候補に関する問題を報告します」をチェックします。
4.「Bing 検索候補報告フォーム」が開きますので「お名前」には自分の名前、「あなたの電子メール アドレス」に自分のメールアレスを入力します。「Bing 検索候補を入力してください」には、消去したい問題のサジェストワードを入力します。「その他の情報を入力してください」には、ネガティブな関連ワードが表示されてしまう状況や、消したい理由を記入します。
5.入力出来たら 「CAPTCHA 」で、表示されている文字列を入力して「送信」ボタンをクリックします。
Bingのサジェストが自分で削除できない場合
Bing側で削除申請が認められれば、1~2週間ほどで消去されます。しかし内容によっては、自分で削除の申請を行っても、対応してもらえない場合があります。そのような時の相談先について、紹介します。
弁護士にBingのサジェスト削除を依頼する
Bingのサジェストに表示されたネガティブなワードを自分で消すのが難しい時には、弁護士に削除を依頼するという手段があります。
風評被害に関する法律の知識が豊富な弁護士に依頼することで、サジェストに表示されてしまったワードが、どのような権利侵害に該当するかを判断して、削除の申請をしてもらえます。
依頼を検討する場合には、インターネット上の問題解決の実績が多い弁護士に相談すると良いです。
誹謗中傷対策業者に相談する
ネットの誹謗中傷対策業者は、ネガティブなサジェストが表示されてしまった場合や、不都合な情報が検索エンジンで上位に表示されてしまった時の対策を行っています。
業者に連絡することで、サジェストの対策を行ったほうが良いのか、また削除する以外にどのような対策が取れるか、提案してもらうことが可能です。
サジェストの削除や、誹謗中傷が書かれた記事を消去する等の示談交渉を代行する権限を持っているのは、弁護士だけです。
誹謗中傷対策業者に相談することで、これ以外の方法で、サジェストに表示されてしまったワードが、ユーザーにどの程度検索されているのかを調べて、対策をすべきなのか、テクニカルな面で助言を受けることが出来ます。
対策をするべきなのか判断できなかったり、弁護士でも削除するのが困難な場合には、対策業者に連絡してみましょう。
まとめ|Bingのネガティブなサジェストワードは、早めに削除を検討するのが正解
Bingは、GoogleやYahoo!ほど、国内では利用しているユーザーは多くはありません。しかし、ネガティブなサジェストワードが表示されてしまえば、検索を行うユーザーは、良い印象を持たなくなるため、蔑ろにしてしまうと、深刻な被害を及ぼし始めます。
自分自身で削除するのが難しい場合には、弁護士や誹謗中傷対策会社に連絡して、相談してみましょう。
ネットの誹謗中傷、風評対策のプロがお悩みを伺います。
風評サイトやサジェストのお悩みのほか、SNSや口コミサイトの監視など、幅広くご対応可能です。
清水 陽平