風評被害対策

風評被害対策とは?原因・事例・対処法・予防策を徹底解説【2026年最新】

風評被害対策とは?原因・事例・対処法・予防策を徹底解説【2026年最新】

「会社名を検索したら、身に覚えのないネガティブな情報が表示されていた」「SNSで事実無根の投稿が拡散されている」。こうしたご相談は、年々増え続けています。

風評被害は、SNSや口コミサイトの普及によって、業種や企業規模を問わずあらゆる企業に降りかかるリスクとなりました。根拠のないデマや誤情報がたった一件の投稿から数時間で拡散し、売上低下やブランドの毀損、採用難など深刻な経営ダメージにつながるケースが後を絶ちません。

本記事では、風評被害の定義や発生メカニズムから、最新の企業被害事例、発生時の具体的な対処法、未然に防ぐための予防策、さらには対策サービスの費用相場や選び方まで網羅的に解説します。「いま自社にできることは何か」を明確にし、すぐに行動に移せるガイドとしてお役立ていただければ幸いです。

【この記事の結論】風評被害対策の3つの鉄則
  • 発生時の初動対応(すぐやること):
    まずは「証拠の保存(PDF・魚拓・スクショの3点)」を最優先で行い、事実確認後に速やかに「公式声明」を発表してください。沈黙は肯定とみなされます。
  • 未然に防ぐ予防策(平時からやること):
    SNSや口コミの「常時モニタリング体制」を構築し、全社員向けの「SNS利用ガイドライン(ソーシャルメディアポリシー)」を策定・周知することが重要です。
  • 対策にかかる費用と専門家の活用:
    自社での対応が難しい場合、専門業者による監視は月額1万〜15万円、逆SEO対策は月額5万〜30万円が目安です。悪質な場合は弁護士への相談(1件5万〜15万円)も検討してください。

    なお、弊社エルプランニングでも風評被害対策サービスを提供しており、15年で50,000件以上の対策実績をもとに企業ブランドを守るお手伝いをしています。
ガイド

風評被害は「起きてから対処する」より「起きる前に防ぐ」ほうが、コストも労力も大幅に削減できます。まず自社のモニタリング体制の現状を確認してみましょう。

目次
  1. 風評被害対策とは?意味と定義をわかりやすく解説
  2. 風評被害と誹謗中傷の違いとは?知っておくべき法的な区別
  3. 風評被害はなぜ起きる?発生メカニズムと5つの原因
  4. 情報が拡散する5つの媒体と特徴 ── プラットフォーム別リスク分析
  5. 【2025〜2026年最新】風評被害の企業事例5選
  6. 風評被害が企業に与える6つの深刻な影響
  7. 風評被害が発生したときの正しい対処法 ── 初動から法的措置まで
  8. 風評被害を未然に防ぐ5つの予防策
  9. 風評被害対策の費用相場 ── サービス別の料金目安
  10. 風評被害対策サービスの選び方と主な対策手法
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ
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風評被害対策とは?意味と定義をわかりやすく解説

まずは「風評被害」と「風評被害対策」の意味を正しく理解するところから始めましょう。言葉の定義が曖昧なまま対策を進めると、的外れな施策になってしまうことがあります。

風評被害の定義 ── 根拠のない情報による経済的・社会的損害

風評被害とは、事実に基づかない噂や誤解、デマなどが拡散されることによって、企業・個人・地域が経済的・社会的な損害を受ける現象のことです。

ここで押さえておきたい重要なポイントがあります。それは「事実に基づく正当な批判やレビューは風評被害にはあたらない」ということです。たとえば、実際に不良品が届いた消費者がその体験をレビューとして投稿するのは、正当な意見の表明です。一方、利用したこともない飲食店に「食中毒が出た」と虚偽の投稿をするケースは、明確に風評被害の原因となる行為です。この境界線を正しく認識しておくことが、適切な対策の第一歩になります。

風評被害対策とは ── 予防・対処・再発防止の3層アプローチ

風評被害対策とは、インターネットやSNS上で広まる根拠のない悪評や誤情報から、企業や個人の信用・評判を守るための包括的な取り組みを指します。具体的には、監視・早期対応・社内教育・正確な情報発信・法的措置などを含みます。

効果的な風評被害対策は、以下の3つの層で構成されます。

  • 予防的対策:
    モニタリング体制の構築、社員教育、ソーシャルメディアポリシーの策定など、被害の発生そのものを防ぐ取り組み
  • 発生時の対処:
    証拠保存、公式声明の発信、削除依頼、法的措置の検討など、被害を最小化するための即時対応
  • 再発防止策:
    対応フローの見直し、ガイドラインの更新、組織体制の強化など、同じ問題を繰り返さないための仕組みづくり

この3層を意識して対策を講じることで、万が一の事態にも冷静に対応できる体制が整います。本記事でも、この流れに沿って解説を進めていきます。

風評被害と誹謗中傷の違いとは?知っておくべき法的な区別

「風評被害」と「誹謗中傷」は混同されがちですが、実は異なる概念です。適切な対処を行うためにも、この違いを正しく理解しておきましょう。

風評被害=「結果」、誹謗中傷=「行為」── 概念の整理

もっとも大きな違いは、風評被害が「被害の結果」を指すのに対して、誹謗中傷は「攻撃する行為そのもの」を指すという点です。誹謗中傷が原因となって風評被害が発生するケースは多いですが、必ずしもイコールではありません。たとえば、メディアの誤報や統計データの誤解など、悪意のない情報拡散から風評被害が生じることもあります。

この区別を理解しておくと、対策の方針が明確になります。誹謗中傷には法的措置を中心に対応し、風評被害には情報発信やブランド回復策も含めた総合的なアプローチが必要になるからです。

風評被害に関連する4つの罪 ── 名誉毀損罪・信用毀損罪・業務妨害罪・侮辱罪

風評被害に関連して、加害者が問われる可能性のある罪は主に4つあります。

罪名根拠条文法定刑概要
名誉毀損罪刑法230条1項3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立
信用毀損罪刑法233条前段3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金虚偽の風説を流布し、他人の経済的信用を毀損した場合に成立
偽計業務妨害罪刑法233条後段3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金偽計を用いて他人の業務を妨害した場合に成立
侮辱罪刑法231条1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料事実を摘示しなくても公然と人を侮辱した場合に成立

なお、侮辱罪については2022年7月の刑法改正で法定刑が引き上げられています。法務省の侮辱罪の法定刑の引上げ Q&Aによると、従来は「拘留または科料」という軽い罰則でしたが、改正後は懲役や罰金も科せるようになり、その結果として公訴時効も1年から3年に延長されました。

実際に法的措置が取られた事例もあります。2024年10月には、飲食チェーン店について「ナメクジが大量発生している」とSNSに誇張した虚偽投稿をした元従業員に対し、仙台地裁が偽計業務妨害罪で懲役1年の実刑判決を言い渡しました。この投稿がきっかけとなり店舗は休業に追い込まれ、運営上の問題も重なって閉店に至りました。デマを流す側にも重い法的制裁があることを示す重要な判例です。

風評被害」と「誹謗中傷」は別概念です。誹謗中傷は行為、風評被害はその結果。デマを流した相手には名誉毀損罪や偽計業務妨害罪が適用され、実刑判決に至った事例もあります。

風評被害はなぜ起きる?発生メカニズムと5つの原因

風評被害への対策を考える前に、そもそもなぜ風評被害が発生し、拡大していくのかを理解しておくことが大切です。メカニズムを知ることで、どの段階で介入すれば被害を食い止められるかが見えてきます。

風評被害が拡大する4つのステップ

風評被害は、一般的に以下の4段階を経て拡大していきます。

  • ステップ1:
    消費者や求職者が不安を感じる。SNSや口コミサイトでネガティブな情報に触れ、漠然とした不安が生まれる
  • ステップ2:
    取引先や顧客が反応する。不安が具体的な行動(購入の見送り、問い合わせの増加など)として表面化する
  • ステップ3:
    専門家やメディアが取り上げる。ニュースやまとめサイトで報じられることで、情報の到達範囲が一気に拡大する
  • ステップ4:
    情報拡散が加速し、社会的評価として定着する。検索結果にネガティブ情報が残り続け、長期的なダメージとなる

重要なのは、ステップ1やステップ2の段階で早期に対応できれば、被害を最小限に抑えられるということです。私がブランドセキュリティ部門にいた頃も、早期発見と迅速な対応によって大きな炎上を未然に防げた案件を数多く経験しました。

風評被害をもたらす5つの情報タイプ

風評被害の原因となる情報は、大きく5つのタイプに分類できます。

  • 根拠のない噂やデマ:
    伝聞情報が拡散され、真偽不明な情報ほど不安を煽りやすい。一度広まると完全な否定が困難になる
  • SNSや掲示板での誹謗中傷:
    X(旧Twitter)や匿名掲示板など、拡散力が高く匿名性のあるプラットフォームでの悪質な投稿
  • ニュース報道の誤解や誇張:
    見出しの過激な表現や、編集による意図の歪曲。マスメディアの信頼性ゆえに影響が大きい
  • 口コミ・レビューの誤情報:
    実際には発生していないトラブルに関するレビュー投稿。購買判断に直接影響を与える
  • 意図的な情報操作:
    競合他社や悪意ある個人による偽アカウントを使った悪評の自作自演。ECサイトなどで特に問題になっている

アテンション・エコノミーが風評被害を加速させる構造

現代のインターネットは「アテンション・エコノミー(注目の経済)」と呼ばれる構造を持っています。膨大な情報が溢れる中で、より多くの注目を集めたコンテンツが優遇される仕組みです。

この構造が風評被害を加速させる理由はシンプルです。過激な内容やセンセーショナルな情報ほど注目を集めやすいため、事実かどうかに関係なく、刺激的な情報が優先的に拡散されてしまうのです。「企業名+不祥事」のような情報は、正しい情報よりも速く、広く広まりやすい構造的な問題があることを理解しておきましょう。

情報が拡散する5つの媒体と特徴 ── プラットフォーム別リスク分析

風評被害が発生するプラットフォームによって、拡散のスピードや対応方法は大きく異なります。自社にとってどの媒体のリスクが高いかを把握しておくことが、効果的な監視体制の構築につながります。

Google・Yahoo!検索結果とサジェスト汚染

検索エンジンのサジェスト機能(検索候補の自動表示)に、「企業名+ブラック」「企業名+詐欺」などのネガティブワードが表示される現象を「サジェスト汚染」と呼びます。検索結果に一度インデックスされたネガティブ情報は長期間残存するため、採用活動や営業活動に持続的な悪影響を及ぼします。

X(旧Twitter)・Instagram・TikTokなどSNS

SNSの特徴は、リアルタイム性と拡散速度にあります。特にXではトレンド入りすることで爆発的に情報が広がり、数時間で数万件のリポストに達することも珍しくありません。匿名性の高さから、事実確認をしないまま感情的な反応が連鎖するリスクがあります。

ブログ・匿名掲示板(5ちゃんねる等)

「関係者」を名乗る虚偽の投稿や、退職した元従業員による恨みを込めた書き込みが横行しやすい媒体です。特に注意すべきは「再燃リスク」です。過去の記事やスレッドが何年も残り続け、何かのきっかけで再び注目を集めることがあります。

Googleマップ・口コミサイト・レビューサイト

Googleマップの口コミは、飲食店や医療機関、サービス業などにとって集客に直結する重要な要素です。虚偽のレビュー投稿や、競合他社による悪質なレビュー操作が問題になっています。低評価が増えると地図検索での表示順位にも影響するため、定期的な監視が欠かせません。

YouTubeなど動画プラットフォーム

文脈を無視した再編集による切り抜き動画が拡散されるケースがあります。インフルエンサーが取り上げることで一気に視聴回数が増え、テキスト媒体以上に感情的なインパクトを与えることがあります。動画は削除依頼の対応にも時間がかかるため、早期発見が特に重要です。

情報が拡散する5つの倍体と特徴、プラットフォーム別リスク分析
検索・SNS・口コミの3媒体は「HIGH」リスク。媒体ごとのリスク重度を把握し、優先的にモニタリング体制を整えることが被害最小化への近道です。

【2025〜2026年最新】風評被害の企業事例5選

実際にどのような風評被害が発生しているのかを知ることは、自社のリスクを具体的にイメージするうえで非常に役立ちます。ここでは、近年起きた代表的な事例のポイントを簡潔にご紹介します。

  • 香港発「7月大地震」デマ(2025年):
    根拠のない地震予言がSNSで拡散し、訪日観光客のキャンセルが相次いだ。経済損失は5,600億円規模との試算も
  • 松屋×河野太郎写真投稿の「政治的アピール」誤解(2025年):
    ジョージア料理のPR投稿が政治的アピールと誤解され、不買運動に発展
  • チロルチョコ虫混入動画(2024年):
    SNSで拡散されたが、迅速かつ透明性の高い初動対応で被害を最小化した成功事例
  • メルカリ政府備蓄米の不正転売(2025年):
    対応の遅れがプラットフォーム事業者としての信頼を損なった事例
  • 飲食チェーン「ナメクジデマ」(判例):
    虚偽投稿により店舗が閉店に追い込まれ、投稿者には偽計業務妨害罪で懲役1年の実刑判決

各事例の詳しい経緯や企業の対応、そこから得られる教訓については、

で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

風評被害が企業に与える6つの深刻な影響

風評被害は一時的な評判の低下にとどまらず、企業経営の根幹に関わる多方面のダメージをもたらします。

売上・顧客数の減少

ネガティブな情報に接した消費者は、購買意欲を失います。特に注意が必要なのは、一つの商品やサービスへの悪評が企業全体のイメージに波及する「ハロー効果の逆作用」です。一度離れた顧客を取り戻すのは、新規顧客の獲得よりも困難な場合があります。

ブランドイメージ・信用の毀損

事実無根の情報であっても、一度付いた「悪い印象」は長期間にわたって残り続けます。私がブランドセキュリティ部門で担当した案件でも、信頼の回復には通常の数倍の労力と時間を要するケースがほとんどでした。だからこそ「予防」が何より大切なわけです。

取引先・パートナー企業からの信頼喪失

取引先にとって、風評被害を受けている企業との取引は「信用リスク」と見なされることがあります。取引停止や契約更新の拒否、仕入先との関係悪化など、BtoB領域への影響は深刻です。

採用活動への悪影響

求職者の多くは応募前に企業名で検索します。そのとき「企業名+ブラック」「企業名+パワハラ」といったサジェストが表示されると、応募を見送る可能性が非常に高くなります。人材確保が企業の成長を左右する時代において、採用への悪影響は経営課題に直結します。

従業員の士気・モラルの低下

自分の勤務先がネット上で批判されている状況は、従業員のメンタルヘルスに大きな影響を与えます。社内の雰囲気が悪化し、離職率の上昇につながることも少なくありません。

株価の下落・投資家離れ

上場企業の場合、SNS上の炎上が株価に直接影響することがあります。投資家の信頼を失うと資金調達にも支障が出るため、経営基盤そのものが揺らぐリスクをはらんでいます。

風評被害が発生したときの正しい対処法 ── 初動から法的措置まで

万が一、風評被害が発生してしまった場合、何よりも重要なのは初動対応のスピードと正確さです。パニックにならず、以下の5つのステップを順番に実行していきましょう。

ステップ1:事実確認と影響範囲の把握

まず、拡散されている情報が事実なのか虚偽なのかを確認します。投稿の出所はどこか、どの程度拡散されているか、影響を受けている関係者は誰かを整理しましょう。社内の広報・法務・経営層への即時エスカレーションも忘れないでください。

ステップ2:証拠の保存 ── PDF・ウェブ魚拓・スクリーンショットの3層保存

法的措置を検討する可能性がある場合、証拠の保存は最優先事項です。ネット上の情報はいつ削除されるかわからないため、発見したらすぐに保存してください。

  • PDF保存:
    ブラウザの印刷機能でPDF化する。その際、フッターにURLが表示される設定にしておく
  • ウェブ魚拓:
    「archive.today」などのウェブアーカイブサービスを利用し、第三者が確認できる形で保存する
  • スクリーンショット:
    画面のキャプチャを撮影し、URL・日時が写り込む状態で保存する

この3つの方法を組み合わせることで、証拠としての信頼性が高まります。

ステップ3:公式声明・謝罪文の発信 ──「沈黙は肯定」を避ける

ネット上では「沈黙は肯定と見なされる」という風潮があります。事実確認が取れた段階で、できるだけ早く公式の声明を発信しましょう。

情報が事実である場合は、誠意ある謝罪と具体的な再発防止策を示すことが信頼回復の第一歩になります。一方、事実無根の情報である場合は、毅然とした態度で明確に否定することが重要です。チロルチョコの事例のように、経緯を透明性高く開示するアプローチは非常に効果的です。

ステップ4:投稿の削除依頼とプラットフォーム対応

問題の投稿がプラットフォームのガイドライン違反に該当する場合、運営者に削除依頼を行うことができます。Google口コミはGoogleビジネスプロフィールから、XやInstagramは各プラットフォームの報告機能から申請できます。

ただし、すべての削除依頼が認められるわけではありません。ガイドライン違反に明確に該当しない場合や、意見・感想の範囲と判断される場合は、削除されないこともあります。

ステップ5:法的措置の検討 ── 弁護士への相談と具体的手段

削除依頼が通らない場合や、被害が深刻な場合は、法的措置を検討します。具体的には以下のような手段があります。

  • 削除の仮処分申立て:裁判所を通じて投稿の削除を命じる手続き
  • 発信者情報開示請求:匿名の投稿者を特定するための手続き
  • 損害賠償請求:被った経済的損害の賠償を求める民事訴訟
  • 刑事告訴:名誉毀損罪や信用毀損罪などでの刑事手続き

なお、2025年4月からは旧プロバイダ責任制限法の改正により名称変更された「情報流通プラットフォーム対処法」が施行されています。総務省の公式ページによると、大規模プラットフォーム事業者には削除対応の迅速化が義務付けられており、今後は削除依頼がより通りやすくなることが期待されています。法的措置を検討する際は、IT関連の風評被害に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

風評被害を未然に防ぐ5つの予防策

風評被害は「起きてから対処する」よりも「起きる前に防ぐ」方が、はるかにコストも労力も少なくて済みます。ここでは、企業として取り組むべき5つの予防策をご紹介します。

ネット監視(モニタリング)体制の構築

風評被害の予防で最も基本的かつ重要なのが、モニタリング体制の構築です。自動ツールと有人確認を組み合わせた監視体制を整えましょう。

監視対象として押さえておきたいプラットフォームは、X、Instagram、TikTok、Googleマップ、Yahoo!知恵袋、5ちゃんねるなどです。自社名やサービス名、主要な役員名などをキーワードとして設定し、ネガティブな投稿をリアルタイムで検知できる仕組みを整えることが理想です。

社員への情報リテラシー教育

従業員のSNS投稿が企業の風評被害につながるケースは少なくありません。いわゆる「バイトテロ」のような悪質なケースだけでなく、悪気のない投稿が思わぬ炎上を招くこともあります。

重要なのは、研修を「単発のイベント」で終わらせないことです。情報リテラシーは「組織文化」として浸透させていく必要があります。定期的な研修の実施に加え、具体的なリスク事例を使ったシミュレーション訓練を行うと、社員一人ひとりの意識が大きく変わります。

ソーシャルメディアポリシーの策定

企業としてSNSにどう向き合うかを明文化したソーシャルメディアポリシーを策定しましょう。ポリシーに含めるべき主な要素は以下の4つです。

  • 公式アカウントの運用ガイドライン(投稿の承認フロー、トーン&マナーなど)
  • 従業員の個人アカウント利用に関する指針(業務情報の取り扱い、炎上リスクのある投稿への注意喚起)
  • 機密情報の取り扱いルール(社内情報、顧客情報の漏洩防止)
  • クライシスコミュニケーション手順(炎上発生時の対応フロー、エスカレーション先の明確化)

ポリシーは策定して終わりではなく、定期的に見直し、最新の事例やプラットフォームの変化に対応させていくことが大切です。

ブランド力の強化とポジティブ情報発信(逆SEO・MEO対策)

「攻め」の対策として、ポジティブなコンテンツを積極的に発信していくことも非常に有効です。自社サイトの充実、オウンドメディアの運営、SNSでの情報発信など、検索結果の上位をポジティブな情報で埋めていくことで、ネガティブ情報の露出を抑えることができます。

このアプローチは「逆SEO」と呼ばれ、風評被害対策において中心的な手法の一つです。また、実店舗を持つ事業者であれば、Googleマップ上の評価を改善する「MEO対策」も効果的です。

リスク管理体制の整備と対応フロー構築

最後に、組織としてのリスク管理体制を整備しましょう。危機対応チームを常設し、広報・法務・経営層が連携して対応できる仕組みを作っておくことが重要です。

発生時の対応フローを事前にマニュアル化し、「誰が」「何を」「どの順番で」行うかを明確にしておけば、いざというときにも冷静に対応できます。また、外部の専門業者や弁護士との連携体制を平時から構築しておくと、緊急時の対応がスムーズになります。

風評被害対策の費用相場 ── サービス別の料金目安

「風評被害対策にはどのくらいの費用がかかるのか」は、多くの企業が気になるポイントです。対策の種類によって費用感は大きく異なりますので、以下の表を参考にしてください。

対策の種類費用の目安備考
モニタリング(自動ツール)月額1万〜5万円キーワード設定による自動監視
モニタリング(有人監視)月額5万〜15万円専門スタッフによる目視チェック併用
サジェスト対策(業者)月額3万〜10万円ネガティブワードの排除
サジェスト対策(弁護士)1件あたり5万〜20万円法的手続きを伴う場合
逆SEO対策月額5万〜30万円ポジティブコンテンツの作成・上位化
削除依頼・IP開示請求1件あたり5万〜15万円弁護士を通じた対応
コンサルティング月額10万〜30万円リスク診断、研修、体制構築の支援

注意しておきたいのは、多くの対策が「一度やれば終わり」ではなく、6ヶ月〜1年程度の継続が必要だという点です。特にサジェスト対策や逆SEOは、対策を止めるとネガティブ情報が再び上位に戻ってくることがあります。長期的な視点で予算を組むことをおすすめします。

費用についてより詳しくは

でも紹介してます。

風評被害対策サービスの選び方と主な対策手法

自社だけで対応が難しい場合は、専門の風評被害対策サービスの活用を検討しましょう。ただし、サービスの質や対応範囲は業者によって大きく異なります。

サービス選定で確認すべき4つのポイント

  • 実績と信頼性:
    解決件数だけでなく、サービスの提供年数も確認する。実績が豊富であれば、多様なケースへの対応力が期待できる
  • 対応可能な媒体の範囲:
    自社の風評被害がどのプラットフォームで発生しているかを把握し、その媒体に対応できるサービスを選ぶ
  • 費用とサービス内容のバランス:
    月額費用だけでなく、初期費用や成果報酬の有無、契約期間なども含めて比較する
  • 対応スピードと体制:
    24時間対応が可能か、専属の担当者がつくかなど、緊急時の対応力を確認する

ネット監視・モニタリングサービス

AIによる自動検出と、専門スタッフによる目視チェックを組み合わせた監視サービスです。SNS、掲示板、口コミサイト、ニュースサイトなど幅広い媒体を対象に、リアルタイムでネガティブ情報を検知して通知してくれます。

逆SEO・サジェスト対策サービス

逆SEOは、ポジティブなコンテンツ(自社サイト、SNSアカウント、ブログ、ニュース記事など)を検索上位に押し上げることで、ネガティブ情報を検索結果の2ページ目以降に押し下げる対策です。ユーザーの大半は検索結果の1ページ目しか見ないため、2ページ目以降に下げるだけで露出を大幅に減らせます。

サジェスト対策は、検索候補に表示されるネガティブワード(「企業名+炎上」「企業名+詐欺」など)を排除する対策です。

法的対応支援・弁護士連携

削除の仮処分、発信者情報開示請求、損害賠償請求など、法的手続きをサポートするサービスです。IT分野の風評被害に精通した弁護士と連携できるかどうかが、成果を左右するポイントです。

ブランド再構築支援

炎上や風評被害からの回復期に、Webサイトの刷新やMEO対策、プレスリリース活動などを通じてブランドイメージを再構築する支援サービスです。「守り」の対策だけでなく、「攻め」のブランディングも同時に行うことで、より早い回復が見込めます。

詳しくは

の記事でも紹介しております。

よくある質問(FAQ)

Q: 風評被害対策は自社でもできますか?それとも専門業者に依頼すべきですか?

Googleアラートの設定やSNSの定期チェックなど、基本的なモニタリングは自社でも始められます。ただし、逆SEO・サジェスト対策・法的措置など専門知識が必要な領域は、実績のある専門業者や弁護士に依頼するのが効果的です。特に炎上が拡大しているような緊急時には、専門家の迅速な対応が被害を最小限に抑える鍵になります。

Q: 風評被害対策にかかる費用の相場はどれくらいですか?

対策内容によって異なります。モニタリングは月額1万〜15万円、サジェスト対策は月額3万〜10万円、逆SEOは月額5万〜30万円が目安です。弁護士への削除依頼は1件あたり5万〜15万円程度となっています。多くの場合、6ヶ月〜1年の継続が必要です。

Q: 風評被害と誹謗中傷は何が違うのですか?

風評被害は「根拠のない情報が拡散されたことによる経済的・社会的な被害の結果」を指し、誹謗中傷は「悪意を持って他者を攻撃する行為そのもの」を指します。誹謗中傷が原因で風評被害が発生するケースが多いですが、メディアの誤報など悪意のない情報拡散から風評被害が生じることもあります。

Q: 風評被害を受けた場合、まず何をすべきですか?

最優先は証拠の保存です。スクリーンショット、PDF保存、ウェブ魚拓の3つの方法で証拠を残してください。その上で事実確認と影響範囲の把握を行い、公式声明の準備に入ります。ネット上では「沈黙は肯定」と受け取られるリスクがあるため、事実が確認できた段階で速やかに声明を出すことが重要です。

Q: SNSの投稿やGoogleの口コミを削除することは可能ですか?

プラットフォームのガイドライン違反に該当する場合、削除依頼が可能です。Googleの口コミはGoogleビジネスプロフィールから報告できます。ガイドライン違反に該当しない場合でも、弁護士を通じた削除の仮処分申立てや発信者情報開示請求という法的手段を取ることができます。

Q: 逆SEO対策とは何ですか?効果はありますか?

逆SEOとは、ポジティブなコンテンツを検索上位に押し上げることで、ネガティブ情報を検索結果の2ページ目以降に押し下げる対策です。ユーザーの大半は1ページ目しか閲覧しないため、効果的な手法として広く活用されています。ただし即効性はなく、6ヶ月〜1年程度の継続が一般的です。

Q: 風評被害でデマを流した相手を訴えることはできますか?

可能です。名誉毀損罪、信用毀損罪、偽計業務妨害罪、侮辱罪などが適用され得ます。実際に、飲食チェーンへのナメクジデマ事件では投稿者に懲役1年の実刑判決が下されています。匿名の投稿者であっても、発信者情報開示請求により特定することが可能です。

Q: 従業員のSNS投稿から風評被害が発生するリスクはありますか?

あります。従業員の不適切な投稿は企業の信用を直接毀損する可能性があります。対策としては、ソーシャルメディアポリシーの策定、定期的なSNSリスクリテラシー研修の実施が有効です。研修は単発で終わらせず、情報リテラシーを組織文化として浸透させることが大切です。

まとめ

風評被害は、SNSや口コミサイトの普及により、いつ、どの企業にも発生しうるリスクです。本記事では、風評被害の定義やメカニズム、最新の事例、対処法、予防策、費用相場まで幅広く解説してきました。

もっとも大切なのは「予防→発生時の対処→再発防止」の3層で備えることです。モニタリング体制の構築やソーシャルメディアポリシーの策定で予防策を固め、万が一の発生時には証拠保存と迅速な声明発信で被害を最小化する。法的措置も含めた選択肢を事前に整理しておけば、いざというときに冷静に動けます。

私自身、ブランドセキュリティの現場で多くの案件に携わる中で、「もっと早く相談してくれていれば」と感じることが少なくありませんでした。風評被害対策は、問題が起きてからでは手遅れになることもあります。この記事をきっかけに、まずは自社の現状を確認するところから始めてみてください。

自社だけでの対応に不安がある場合は、専門のサービスや弁護士への相談も有効な選択肢です。早めの行動が、企業の大切な信頼とブランドを守ることにつながります。

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監修者
清水陽平弁護士