SNSトラブル対策

会社員600人に聞いた「SNSリスク意識」の実態──スクショ率6割、拡散意識なし5割の危うさ

会社員600人に聞いた「SNSリスク意識」の実態──スクショ率6割、拡散意識なし5割の危うさ

友達のストーリーズが面白くて、つい画面を長押ししてスクショを撮った。グループLINEに「これ見てw」と転送した。そんな何気ない日常、身に覚えがある方も多いのではないでしょうか。

でも逆の立場で考えたことはありますか? あなた自身の投稿も、誰かにスクショされて、知らない相手に転送されているかもしれない。しかも、その投稿に仕事の情報が含まれていたとしたら。

当社では2026年5月、全国の20代〜30代の会社員601人を対象に「SNSリスク意識調査」を実施しました。先日プレスリリースとして一部結果を公開しましたが、本記事ではプレスリリースに含まれなかった設問を含む全10問の調査結果と、独自のクロス集計分析をお届けします。

「スクショする側」と「される側」の意識のズレ、リスクを知りながら止められない行動、そして社員の認識レベルによって異なる対策ニーズまで。調査データから浮かび上がった実態を、一つひとつ見ていきます。

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20代〜30代会社員のSNS利用実態

まず、回答者601人が日常的に利用しているSNSの全体像を確認しておきます。

  • LINE:77.5%
  • X(旧Twitter):71.7%
  • Instagram:70.7%
  • YouTube:60.2%
  • TikTok:40.1%
  • Threads:15.5%
  • Facebook:13.8%
  • BeReal:6.8%
  • LinkedIn:3.5%

LINE・X・Instagramが「3大SNS」として定着しており、20代〜30代の7割以上が利用しています。YouTubeも6割を超え、TikTokは4割。日常的に複数のSNSを使い分けているのが、この世代の標準的な姿です。

一方でBeRealは6.8%と利用者はまだ少数派ですが、このあとのクロス集計で非常に興味深い結果が出てきます。

SNSごとに「テキスト主体」「ビジュアル主体」「消える投稿」など性質が異なります。そしてその性質の違いが、ユーザーのスクショ行動に大きな差を生んでいることが今回の調査で明らかになりました。特にBeRealやInstagramストーリーズのような「一定時間で消える」タイプのSNSに、注目すべきデータが出ています。

友人のSNS投稿をスクショしたことがある人は約6割

「友人のSNS投稿をスクリーンショットしたことがありますか?」という質問に対する回答です。

  • よくある:20.3%
  • たまにある:21.6%
  • ほとんどないが、したことはある:15.6%
  • 一度もない:42.4%

経験ありの合計は57.6%。約6割の会社員が、友人のSNS投稿をスクショした経験を持っています。「よくある+たまにある」だけでも41.9%と4割を超えており、スクショは一部の人の行動ではなく、SNS利用者にとって「当たり前のこと」になりつつあると言えます。

では、スクショした目的は何だったのか。経験者346人に聞いた結果がこちらです。

  • 自分用にあとで見返すため:69.1%
  • 他の友人やグループチャットに転送・共有するため:44.2%
  • 自分のSNSに再投稿するため:19.4%
  • 不適切だと思ったので証拠として残すため:9.8%

最多は「見返すため」ですが、注目すべきは44.2%が「他の友人に転送・共有」している点です。スクショされた投稿は、本人の知らないところで別の誰かに渡っている。投稿者にとっては、もう制御の効かない情報になっているわけです。

「証拠として残す」が約1割というのも見逃せません。不適切な投稿を削除しても、すでに誰かのスマホに保存されている。「消せば大丈夫」は通用しない時代です。

利用SNS別に見るスクショ行動の違い

どのSNSを使っているかによって、スクショ行動に差があるのかをクロス集計で分析しました。結果は予想以上に明確な差が出ています。

BeReal利用者のスクショ率は97.6%

最も目を引くのがBeReal利用者のデータです。

BeReal利用者(41人)のスクショ経験率はなんと97.6%。全体の57.6%を大きく上回り、「よくある+たまにある」だけで82.9%に達します。ほぼ全員がスクショしている計算です。

スクショの目的も特徴的で、「他の友人に転送・共有」が62.5%(全体44.2%)、「証拠として残す」が20.0%(全体9.8%)と、いずれも全体平均を大きく上回ります。

BeRealは「24時間で消える」「リアルタイムの日常を共有する」がコンセプトのSNS。しかし実態は、「消える前に保存しておこう」というユーザー心理が強く働いている。消えることが前提のSNSほど、逆にスクショが促進されるという皮肉な構造です。

「消える」「限定公開」だから安心して投稿する。でもその投稿は、消える前にスクショされている。この構造は、BeRealに限らずInstagramのストーリーズや、Xの親しい友達機能にも当てはまる話です。

TikTok・Instagram利用者もスクショ率が高い

BeReal以外のSNSについても見てみます。

TikTok利用者:71.8%(非利用者との差 +23.7pt)

Instagram利用者:64.0%(同 +22.0pt)

Threads利用者:83.9%(同 +31.1pt)

Facebook利用者:81.9%(同 +28.3pt)

一方で、YouTube利用者は52.5%と、唯一「非利用者(65.3%)よりも低い」結果になりました。YouTubeは「視聴する」使い方が中心のため、友人の投稿をスクショするという行動が起きにくいのでしょう。

全体として、ビジュアル・ストーリー・短尺動画系のSNSほどスクショ文化が根付いています。企業のSNS研修やガイドラインでは、「どのSNSで何が起きやすいか」をプラットフォーム別に伝える視点が必要です。「SNSに気をつけて」という一括りの注意喚起では、もはや不十分な時代に入っています。

自分の投稿がスクショされる可能性、半数以上が意識していない

ここからが本記事の独自データです。プレスリリースには含まれていなかった設問の結果をお伝えします。

「自分が投稿した内容が知らないところでスクショされ拡散される可能性を、普段どの程度意識していますか?」

  • 常に意識している:18.3%
  • 多少意識している:28.1%
  • あまり意識していない:23.8%
  • まったく意識していない:29.8%

意識していない人の合計は53.6%。半数以上が、自分の投稿がスクショされる可能性を意識していません。

この結果を前章のデータと並べると、ある「ズレ」が見えてきます。

  • スクショ経験あり:57.6%
  • スクショされる意識なし:53.6%

つまり、「自分は友達の投稿をスクショする。でも、自分の投稿がスクショされているとは思っていない」。する側にはなるけれど、される側の自覚がない。

私自身、ブランドセキュリティ部門にいた頃、炎上案件のきっかけとなったスクショの多くが「本人が想定していなかった相手」に渡っていたのを見てきました。鍵アカウントのフォロワー、グループLINEのメンバー、親しい友人の友人。情報が伝わる経路は、本人が思っているよりずっと広い。この非対称性こそが、不用意な投稿が止まらない根本的な原因の一つです。

仕事関連の投稿経験──「非公開だから大丈夫」の落とし穴

仕事に関連する6種類の投稿について、経験の有無を聞きました。

投稿内容公開アカウント非公開アカウント友人の投稿で見かけた経験なし
オフィス内の風景14.3%12.3%17.5%62.7%
社員証・社名ロゴ入り備品10.3%16.0%9.8%68.4%
場所×仕事内容のリアルタイム投稿7.7%14.0%15.1%67.1%
プロジェクト・クライアントへの言及8.5%10.0%14.5%70.0%
上司・同僚への不満や社内内情8.7%13.3%14.5%67.2%
リモートワーク中の作業風景8.5%11.1%13.6%69.9%

6項目すべてに共通する傾向があります。「非公開アカウントでの投稿率が、公開アカウントを上回っている」ということです。

特に顕著なのが「社員証・社名ロゴ入り備品」で、非公開16.0%に対して公開10.3%。「上司・同僚への不満」も非公開13.3%に対して公開8.7%。鍵アカウントだから大丈夫、親しい友達限定だから見られない。そんな安心感が、本来なら投稿を控えるべき内容への心理的ハードルを下げています。

しかし、ここで前章までのデータを思い出してください。「約6割がスクショ経験あり」「44.2%が他者に転送・共有」。非公開であっても、フォロワーの誰かがスクショすれば、その瞬間に情報は非公開ではなくなります。

もう一つ気になるのが「見かけた」の比率。14〜17%台で安定して推移しています。つまり、自分が投稿していなくても、同僚や友人の投稿に自分の職場情報が写り込んでいる可能性がある。「自分はやっていないから安心」とも言い切れない状況です。

個人のSNSで業務連絡をしている人は約3割

こちらもプレスリリース未掲載の設問です。

「業務上の連絡やファイル送受信を、個人のSNS(LINE、DM、Messenger等)または個人のプライベートアドレスで行っていますか?」

  • 日常的に行っている:13.1%
  • 急ぎや緊急時のみ行っている:17.6%
  • 以前はやっていたが、今は控えている:8.0%
  • 一切行わない:61.2%

現在進行形で業務利用している人は合計30.7%。約3人に1人が、個人のSNSやアドレスで仕事のやり取りをしています。

このデータを仕事関連投稿(Q5)とクロス集計すると、さらに踏み込んだ実態が見えてきます。

  • 日常的に業務利用している人の仕事関連投稿経験率:68.6%
  • 一切利用しない人の仕事関連投稿経験率:7.9%

その差は約9倍です。個人SNSと仕事の境界が曖昧になっている人ほど、仕事に関連する投稿をしてしまうリスクが圧倒的に高い。

考えてみれば当然の結果かもしれません。プライベートのLINEで業務連絡を交わしていれば、そのLINEは「仕事用」でもあり「私用」でもある。そんな曖昧な空間で、仕事の話題を気軽に書き込んでしまう感覚は、想像に難くありません。

「以前はやっていたが控えている」が8.0%いることは一つの希望です。何かしらのきっかけ──たとえば社内研修や炎上ニュースへの接触──を経て、行動を変えた層が確実に存在しています。逆に言えば、適切なタイミングで情報を届ければ、行動変容は起こりうるということです。

仕事の成果を「誰かに言いたい」──承認欲求と情報発信行動

「仕事で大きな成果を出したとき、誰かに自慢したい・認められたいという気持ちはありますか?」

  • 強くある:6.8%
  • ある:17.0%
  • 少しある:18.8%
  • あまりない:20.5%
  • まったくない:36.9%

承認欲求あり(「強くある」〜「少しある」の合計)は42.6%。4割以上の人が、仕事の成果を誰かに認めてもらいたいと感じています。これ自体はごく自然な感情で、むしろ健全なモチベーションの源泉でもあります。

問題は、その気持ちがどんな行動につながるか。承認欲求ありと答えた256人に、実際の行動を聞きました。

  • 非公開アカウント/親しい友達限定で投稿:32.4%
  • 親しい知人やグループチャットで報告:30.1%
  • 家族や友人に口頭で話した:25.0%
  • 現場の雰囲気がわかる写真を投稿:21.5%
  • 公開アカウントで内容をぼかして投稿:21.1%
  • 気持ちはあったが行動はしなかった:8.2%

91.8%が何らかの行動を取っています。「気持ちだけで留めた」人はわずか8.2%。承認欲求はほぼ確実に行動に変換されると言っていいです。

ここでもやはり最多は「非公開アカウント」で32.4%。鍵アカウントや親しい友達機能が、仕事情報の「安全な吐き出し口」として機能しています。

「内容をぼかして」公開投稿する人も21.1%います。しかし、ブランドセキュリティの実務で見てきた経験から言えば、投稿者が「ぼかしたつもり」でも、時期・場所・業界・前後の投稿などから企業が特定されるケースは珍しくありません。「大手メーカーの新製品発表に関わった」程度の情報でも、タイミング次第で絞り込みが可能です。

同僚の炎上、会社にどう影響する?──8割超が「深刻なダメージ」と認識

「もし自社の同僚がSNSで炎上し、勤め先が特定された場合、会社にどのような影響があると思いますか?」

  • ブランドイメージが低下し、売上が下がる:48.4%
  • 取引先からの信頼を失い、契約が打ち切られる:43.1%
  • 自分自身の仕事や評価にも悪影響が出る:36.4%
  • 採用活動に支障が出る:30.3%
  • 個人の問題なので、会社全体への影響は限定的だと思う:18.6%

何らかの企業ダメージを認識している人は81.4%。8割以上が「同僚の炎上は会社に影響する」と理解しています。上位2項目の「ブランドイメージ低下」「取引先の信頼喪失」はいずれも4割を超えており、SNS炎上が経営に直結する問題だという認識は広く浸透しています。

「自分自身の仕事や評価にも悪影響」と感じている人が36.4%いるのも注目に値します。炎上は当事者だけの問題ではなく、同じ会社で働く他の社員にまで波及する。そこまで分かっている人が3人に1人以上いる。

しかし、ここに矛盾があります。8割が「影響ある」と分かっているのに、Q5で見たように仕事関連の投稿は実際に行われている。「炎上したら大変だ」とは思っている。でも「自分がそうなるとは思っていない」。認識と行動の間に、正常性バイアスが大きな溝を作っています。

今後求められるSNS炎上対策

続いて、全体集計として「今後どのような対策があればSNS炎上を防げると思うか」の結果を確認します。

  • 「どこまでがOKか」が分かるガイドラインの策定:49.9%
  • 社内でのSNS研修の定期的な受講:38.9%
  • 最新の炎上事例(他社事例)の定期的な共有:34.6%
  • ネットの書き込みに対するモニタリング導入:29.6%
  • 匿名で相談できるリスク管理窓口の設置:25.5%

約半数が「どこまでがOKか分からない」と感じています。「SNSに仕事のことは書くな」という漠然とした禁止ではなく、具体的にどんな内容がリスクになるのかを示したガイドラインの整備が急務です。

研修・事例共有・モニタリング・相談窓口。これらは単独で機能するものではなく、組み合わせて初めて効果を発揮します。ただし、全員に同じ施策を同じ温度感で届ければ十分、という話でもありません。このあと見るクロス集計では、認識レベルによって求める対策が大きく分かれています。

「影響あり」と思う人 vs「限定的」と思う人──意識のギャップが映すもの

ここからは、クロス集計で見えてきた最も興味深い分析結果をお伝えします。

Q9で「何らかの企業ダメージがある」と回答したグループ(489人)と、「個人の問題なので影響は限定的」と回答したグループ(112人)。この2グループを分けて、他の設問への回答傾向を比較しました。

「限定的」グループは拡散意識が極めて低い

項目影響ありグループ(489人)限定的グループ(112人)
スクショ経験あり62.8%34.8%
スクショ拡散意識あり52.8%18.8%
仕事関連投稿経験あり27.0%8.9%
個人SNS業務利用あり35.4%10.7%
承認欲求あり47.6%20.5%

「限定的」グループは全体的にリスク行動が少ない傾向にあります。一見すると「安全な層」に見えるかもしれません。

しかし、スクショ拡散意識が18.8%という数字は深刻です。「影響あり」グループの52.8%と比べて34ptもの開きがある。この層は「自分のSNS投稿がスクショされて拡散される」という可能性をほとんど想像していません。

普段はリスク行動が少ないからこそ油断している。そして万が一不用意な投稿をしたとき、「まさか自分が」という心理状態のまま初動が遅れる。当社がこれまで対応してきた炎上案件でも、「まさか自分の投稿がこんなことになるとは」と語る方の多くは、普段からSNSを活発に使っているタイプではありませんでした。

求める対策の「逆転現象」

さらに、先ほど見たQ10(求められる対策)をQ9の認識別に見ると、もう一つ興味深い差が出ました。

対策影響ありグループ限定的グループ
ガイドラインの策定57.5%17.0%
SNS研修の定期受講33.7%61.6%
モニタリング導入33.7%11.6%
匿名相談窓口26.8%19.6%
炎上事例の定期共有39.7%12.5%

ここに「逆転」が起きています。

「影響あり」グループが最も求めているのはガイドライン(57.5%)。すでにリスクを認識しているので、「何がOKで何がNGか」を明文化してほしいというニーズです。自分で判断はできるけれど、会社としての基準がほしい。

一方、「限定的」グループが最も求めているのはSNS研修(61.6%)。ガイドラインではありません。この層は、そもそも「何が問題になりうるのか」の前提知識が足りていない。だから文書を渡されても読み解けない。「基本から教えてほしい」と感じている。

この結果は、企業のSNSリスク対策に直結する示唆を含んでいます。全社員に同じガイドラインを配布するだけでは、「限定的」と考えている層には届かない。かといって研修だけ実施しても、「影響あり」グループには物足りない。認識レベルに合わせた二段構えの対策が必要です。

まとめ

本調査を通じて、3つの「ズレ」が浮き彫りになりました。スクショする側とされる側の自覚のズレ。リスクを知っていながら行動が変わらないズレ。そして社員の認識レベルによって必要な対策が異なるというズレ。

これらのズレは「知識の不足」だけでは説明できません。知っていても行動が変わらない以上、知識を一度伝えるだけでは不十分です。具体的なガイドラインによるルールの明確化定期的な研修による意識の継続的な更新、そしてモニタリングによる早期発見と対処。この三本柱を長期的に回していくことが、組織のSNSリスクを現実的に低減させるアプローチだと当社は考えています。

SNSリスクへの対策は、「一度やれば終わり」ではありません。SNSのトレンドもユーザーの行動も変わり続ける以上、対策もアップデートし続ける必要があります。自社のSNSリスク対策やリテラシー研修についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

調査概要

  • 調査名称:会社員のSNSリスク意識調査
  • 調査方法:インターネット調査(Surveroid利用)
  • 調査対象:全国の20代〜30代の会社員(公務員・経営者含む)
  • 有効回答数:601人(男性249名、女性352名)
  • 調査時期:2026年5月
  • 調査主体:株式会社エルプランニング

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監修者
清水陽平弁護士