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Bingのサジェスト・関連キーワードの削除申請方法と対策に困った時の相談先を紹介します

Bingのサジェスト・関連キーワードの削除申請方法と対策に困った時の相談先を紹介します

Bingで自分の知っている会社名や個人名を検索しようとすると、サジェストや関連キーワードにネガティブなワードが表示されていることがあります。

検索を行うユーザーがこのような表示を目にしてしまうと、その企業や人物に対してネガティブな印象を抱いてしまいます

本記事では、万が一このような事態に陥った時にも対処できるよう、Bingの検索エンジンの性質やBingサジェストにネガティブワードが出現してしまった時の対応方法、自分で対応できない時の相談先などを紹介します。

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Bingの普及率とサジェスト機能の特徴

Bingの普及率とサジェスト機能の特徴

Bingは、Microsoft社独自の検索エンジンの名称で、2009年にサービスが開始されました。日本語版のリリースは翌年の2010年です。

Bingの特徴と言えば、WindowsPCの標準搭載ブラウザ「Microsoft Edge」にデフォルトで設定されている検索エンジンだという点です。

つまり日本でWindowsPCを購入した場合、Microsoft Edgeがデフォルトのブラウザとして最初からインストールされているため、他のブラウザをわざわざインストールすることがなければ、自動的に初期設定のBingで検索することになります。

このため、パソコンを利用する人を中心に一定のユーザーがBingを利用しています

基本無料で使える生成AI「Copilot」でさらにシェア拡大を狙う

近年注目されている生成AIツールですが、Microsoft社が提供する生成AI「Microsoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)」もそのうちのひとつ。ちなみに、Copilotは「副操縦士」の意味を持ちます。

Bingでは、このCopilotをブラウザの検索ページから簡単に利用することができます。

Copilotではテキスト生成やコード生成、画像生成、ブラウジングなどの機能があり、とくに文章の生成機能においてはゼロから文章を生成することも可能です。

ブラウジング機能では、Bingで検索可能なWEBサイトのうち信頼できるソースを統合し、要約された回答を提示してくれます。つまり、検索結果に出てくる複数のサイトをわざわざ閲覧しなくても、Copilotが複数のサイトに記載されている内容を統合・要約して見せてくれる、ということです。

これらの基本的な機能が無料で利用できることも注目すべき点のひとつ。個人利用の範疇であれば、無料版でも十分活用できます。特定の高度な機能やビジネスとして本格的に活用したい場合は、有料プランを利用することもできます。

Bingはどのくらい使用されている?

Bingはどのくらい使用されている?

2024年7月現在、世界規模でのBingのシェア率はGoogleが91.04%と圧倒的なものの、Bingは3.86%と世界2位となっています。

世界規模でのBingのシェア率
出典:Search Engine Market Share Worldwide | Statcounter Global Stats

上の図は「全てのデバイス」でのシェア率のグラフとなりますが、デスクトップパソコンのみに絞った場合は値が少し変動し、Googleが80.33%、Bingは11.83%にまで上がります。

2024年7月の日本の検索エンジンのシェア率
出典:Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats

こちらは、2024年7月の日本の検索エンジンのシェア率を示したグラフです。Googleが77.82%と首位を独走していますが、Bingが11.91%と10%を上回っています。

日本の検索エンジンのシェア率(デスクトップ)
出典:Desktop Search Engine Market Share Japan | Statcounter Global Stats

そこからシェア率のグラフをデスクトップパソコンのみに絞ってみると、Bingのシェア率は20%を越えているのが分かります。この理由として、日本の企業では現在もWindowsのパソコンを利用している企業が大半であるため、デフォルトのブラウザである「Microsoft Edge」および検索エンジンのBingをそのまま利用している人が多いという見解もあります。

それ以外では、ビジュアル面の理由も考えられています。windows10の起動時に日替わりで写真が表示されるように、BingのTOPにも日替わりで写真が表示されます。また、検索結果もシンプルなため好んで使用するユーザーや、あえてGoogleの検索エンジンを使わず、Bingを支持しているユーザーもいます。

参考:ググらない人が増加中 Bingを支持する訳「Googleの独占は嫌なので」|ライブドアニュース

Bingサジェスト機能には、どのような特徴がある?

Bingに限らず、検索エンジンには「サジェスト」と呼ばれる機能が備わっています。

英単語のsuggestは「提案する」という意味です。自分が検索したいワードを入力すると、検索エンジンの方から関連するワードを示唆してくれるのです。

Bingのサジェスト機能は、正式には「検索候補」「関連キーワード」の2種類があります。「検索候補(オートサジェスト)」は、検索窓に出現する検索予測ワードのことです。

Bingのサジェスト
引用:Bing

上の画像の例では、検索窓に「東京ドーム」と入力すると「座席表」や「イベント」など、東京ドームに関連した検索候補が表示されているのが確認できます。また、検索候補リストのうち下の2つ(青い吹き出し)を選択すると、Copilotに回答を求めることができます。

検索エンジンに対して、友人に話しかけるように文章で知りたい事を訊ねることが可能なのは、検索エンジンとしてのBingの大きな特徴のひとつとも言えます。

Bingの検索結果
Bingの関連する検索
引用:Bing

続いて「関連キーワード」とは、キーワードを検索した後の検索結果に表示されるワードのことです。PCのブラウザで検索すると検索結果の右と下に表示され、スマホの場合には下のみに表示されます。(PCでも、右側の関連キーワードが表示されない場合もあります)

右に関連キーワードが表示されるのは、Bingのみに見られる特徴です。他の検索エンジンの場合、Googleでは下のみに、Yahooの場合には上下に表示されます。

Bingサジェストの風評被害と削除の必要性

Bingサジェストの風評被害と削除の必要性

Googleと比較するとBingは国内で利用するユーザーは少ないとはいえ、Bingでもサジェストにネガティブなワードが表示され風評被害に発展する事があります。

とくに、日本ではWindowsをメインで使っている企業が多いため、BtoBの企業は特に注意が必要だと考えられます。

Bingサジェストの仕組み

Bingサジェストの仕組みについて、どのような判断基準でワードが決定されているのかという明確な情報は公開されていません。

GoogleやYahoo!とは違ったワードが表示されているものの、サジェスト表示ワードの傾向としては、検索の際によく検索される複合ワードや、WEB上に関連した情報が多く掲載されているものが多い傾向にあるのは他の検索エンジンと似ています。

また、サジェストに表示されるワードの傾向を考える際には、Bingが検索結果に掲載するサイトの条件(検索アルゴリズム)なども参考になるかもしれません。

検索エンジンは決められたロジックに従って、どのような内容を検索結果に表示させるかを決定します。これを検索アルゴリズムと呼びます。

Bingのウェブマスターガイドラインによれば、Bingの検索アルゴリズムは適切な状態のサイトマップやリンク、コンテンツの内容などを重視してインデックスの作成やランク付けを行っていると発表しています

もう少し細かく言えば、「サイトマップはリアルタイムで更新するか、少なくとも1日に1回は更新して、できるだけ最新の状態」に保っておくことが推奨されていますBing Webmaster Tools(サイトマップツール)などを利用し、適切なタイミングでサイトマップをBingに送信するようにしましょう。

リンクに関しても、高品質なリンクを求めているという旨が記載されています。質の高いリンクについて、Bingは「質の高いリンクとは、Bingが既に認識し信頼しているWebサイトからのリンクです。」と述べています。

コンテンツに関しては、他の検索エンジンと求める内容の大きな違いはありませんが、「検索エンジンではなく検索ユーザー向けのコンテンツ」「訪問者の期待に完全に応えられるコンテンツ」「独自性を持たせる」といった点について言及されています。また、タグの使い方についても正確に使っているかどうかを確認するということです。

参考:Webmaster Guidelines – Bing Webmaster Tools

サジェスト汚染とは

Bingのサジェストでは、検索の際によく検索される複合ワードや、WEB上に関連した情報が多く掲載されているものが多い傾向にあるとお話しましたが、実際、検索窓に会社名や個人名のワードを入力した時に、サジェストにネガティブなキーワードが表示されることがあります。

インターネット上に企業の体質を揶揄したり特定の個人に関する悪口が書かれていたりするサイトが存在し、それらについて検索するユーザーが一定数いれば、アルゴリズムに則ってネガティブなサイトが上位化し、その関連ワードがサジェストに表示されてしまうのです。

Bingのネガティブなサジェスト
引用:Bing

上の画像は、ある企業名で検索した時に「パワハラ加害者」と表示されてしまったサジェストの表示例です。企業への入社を考えているユーザーがこういったサジェスト欄を目にしてしまったら、応募をやめてしまうかもしれません。

もし真実の内容でなかったとしても、これらのワードで検索するユーザーが一定数存在し、ネット上にそれらに関する情報が存在していれば、ネガティブなワードは表示されやすくなってしまいます

Bingサジェストを自分で削除する方法

Bingサジェストを自分で削除する方法

Bingに限らず検索エンジンは、インターネット上に存在する膨大な数のWEBサイトを日々巡回して検索結果に表示させます。

ネット上に存在する情報の全てが、ポジティブな内容という訳ではありません。そのため、Bingのサジェストおよび検索結果にネガティブな情報が表示されてしまったら、自身の判断で削除の申請を送ることができます。

とはいっても、Microsoft は表現の自由を尊重しているため、申請したからといって全ての情報を削除してくれるという訳でもありません。ここでは、Bingサジェストを削除できる条件や削除申請の方法について解説していきます。

Bingサジェストを削除できる条件

ネガティブなサジェストが表示されてしまうことによって企業の営利活動に不都合な影響を及ぼす前に、Bingに要請することで以下の条件に該当する内容を検索結果から削除してもらえる可能性があります。

  • 政府、個人、あるいはそれ以外からの法的な要請
    児童の性的虐待に関するコンテンツ
    著作権侵害

  • 品質、安全性、およびユーザーの要請
    スパム
    同意を得ずに配布された性的関係画像を含む機密性の高い個人情報
    アダルトコンテンツ
    警告 (医薬品の違法販売、マルウェア)

抜粋:Bing が検索結果を表示するしくみ

もし、削除したいワードがBingの定めたルールに違反したサジェストワードであった場合は、法的な根拠をもって削除要請を行ってみましょう。

Bingサジェスト削除の申請方法

Bingの関連キーワードやサジェストワードの削除申請の方法はどのように行えば良いのでしょうか。具体的な手順について紹介していきます。

  1. Bingに対する問題を報告」ページに進みます。
  2. 「どの製品についてレポートしていますか?」というメニューが開いたら 「Bing 検索」にチェックを入れます。
  3. 「問題点について教えてください。」というメニューが開きますので、「その他…」を選択しましょう。
    Bingサジェスト削除の申請方法
    引用:Bing に関する問題を報告
  4. 2つ目の「問題点について教えてください。」という質問が出たら、「Bing が提供する関連検索または検索候補」をチェックします。
    Bingサジェスト削除の申請方法
    引用:Bing に関する問題を報告

  5. 「Bing 検索候補報告フォーム」が開きますので「お名前」には自分の名前、「あなたの電子メール アドレス」に自分のメールアドレスを入力します。「Bing 検索候補を入力してください」には、消去したい問題のサジェストワードを入力します。
    Bingサジェスト削除の申請方法
    引用:Bing に関する問題を報告

「その他の情報を入力してください」には、ネガティブな関連ワードが表示されてしまう状況や、消したい理由を記入します。

入力出来たら 「CAPTCHA 」で、表示されている文字列を入力して「送信」ボタンをクリックします。

Bingのサジェストを自分で削除できない場合

Bingのサジェストを自分で削除できない場合

Bing側で削除申請が認められれば、3〜10日間ほどで削除されます。しかし内容によっては、自分で削除の申請を行っても対応してもらえない場合があります。そのような時の相談先について紹介します。

弁護士にBingのサジェスト削除を依頼する

Bingのサジェストに表示されたネガティブなワードを自分で消すのが難しい時には、弁護士に削除を依頼するという手段があります。

法的なアプローチをもってネガティブなサジェストワードの削除や誹謗中傷記事の削除要請を代行できるのは、弁護士だけです。

弁護士に依頼することによって、Bingサジェストに表示されてしまったネガティブワードがどのような権利侵害に当たるのか判断してもらえるため、より的確な削除要請が可能となります。

弁護士への依頼を検討する場合には、風評被害に関する知識を豊富に持ち、インターネット上の問題解決の実績が多い方に相談すると効果的です。

ただし、経験豊富な弁護士が対応しても、表示されている内容によっては削除してもらえない場合もあります。そういった場合などは、ネットの誹謗中傷対策業者を利用することも考えられるでしょう。

誹謗中傷対策業者に相談する

ネットの誹謗中傷対策業者は、ネガティブなサジェストが表示されてしまった場合や不都合な情報が検索エンジンで上位に表示されてしまった時の対策を行っています。

業者に連絡することで、サジェストの対策を行ったほうが良いのか、削除する以外にどのような対策が取れるのか提案してもらうことが可能です。

誹謗中傷対策業者は、弁護士のように削除を代行することはできません。しかし、誹謗中傷対策業者に相談することによって、削除以外の方法でサジェストに表示されてしまったワードがユーザーにどの程度検索されているのか、どういったワードで対策をすべきなのか、などといった点を含めテクニカルな面で助言を受けることが出来ます

対策をすべきなのか判断できなかったり弁護士でも削除するのが困難だったりする場合には、対策業者に連絡してみましょう。

まとめ|Bingのネガティブなサジェストワードは早めに削除を検討するのが正解

Bingのネガティブなサジェストワードは早めに削除を検討するのが正解

Bingは、日本においてGoogleに次いで第2位のシェア率(デスクトップパソコンの場合)となっており、現在も徐々にシェア率を伸ばしています。そのため、Bingにおいてもネガティブなサジェストワードはないがしろにできない存在となりつつあります

Bingのルールに違反しているサジェストワードであれば、専用フォームから申請することによって削除が可能な場合もあります。もし自分自身で削除するのが難しい場合には、弁護士や誹謗中傷対策会社に相談してみましょう。

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監修者
法律事務所アルシエン 共同代表パートナー

清水 陽平

清水陽平弁護士
2007年弁護士登録(60期)。2010年11月法律事務所アルシエンを開設。ネット中傷の削除、投稿者の特定、炎上対応などインターネット分野の法律問題に取り組んでいる。総務省の「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(2020年)、「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(2022年~)の構成員となった。主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を務める。