炎上対策

BeRealで情報漏洩した企業のその後。ブランド回復までに何が必要だったのか

BeRealで情報漏洩した企業のその後。ブランド回復までに何が必要だったのか

「BeRealで社員が機密情報を漏らしてしまった。これから自社はどうなるのだろうか」

2026年に入ってから、こうした不安を抱える広報担当者や経営層が確実に増えています。地方銀行A社の執務室動画、創業80年の老舗メーカーの社内資料、自治体や教育現場での個人情報。業種を問わず、BeReal発の情報漏洩が連鎖的に発生しているからです。

この記事では、BeRealで情報漏洩した企業の「その後」と「ブランド回復までに必要だった工程」を、事例と数字で整理します。自社で同じ事案が起きたときに何をすべきか、回復までにどんな道のりが待っているのかを、冷静に把握する助けになれば嬉しいです。

【この記事の結論】
BeReal漏洩からブランド回復までに必要な5つのポイント

  • 回復までの期間は最短でも「1〜2年」
    火消し2週間→透明性確保1ヶ月→再発防止実装3ヶ月→信頼再構築1年→ブランド再定義1〜2年の5フェーズが必要です。検索結果に残る情報には、削除依頼だけでなく「ブランドSEO」による継続対策も並行して進めてください。
  • 発覚後「72時間」が勝負
    8時間以内に社内エスカレーション、24時間以内に個人情報保護委員会への報告判断、72時間以内に謝罪文公表と取引先への個別連絡を完了させてください。
  • 株価は約8割の企業で下落、最大「21.6%」
    BeReal事案では地方銀行A社の親会社株価が前日比2.86%下落しました。影響は採用・取引先信用にも及び、中長期で残ります。
  • 回復成功の3条件は「スピード×透明性×トップ関与」
    大手化学メーカーE社は事故当日に4回の会見を実施し2日で報道終息。1つでも欠けると信頼の積み直しは始まりません。
  • 謝罪文NGパターンは「受動態・矮小化・現象を主語に・テンプレ流用」
    地方銀行A社は「拡散された事案」を主語にしたことで、事態を矮小化する印象を与えてしまい再炎上を招きました。受動態や矮小化、テンプレ流用は、いずれも本質的な違反行為から目を逸らす表現として再炎上の引き金になります。

「自社で同じことが起きたら、誰に相談すればいいのか」とお考えの方へ

株式会社エルプランニングでは、15年以上にわたる風評被害対策の実績をもとに、検索結果に残るネガティブ情報の対策から再発防止のための社内体制づくりまで、一貫してサポートしています。BeReal漏洩のように「すでに拡散してしまった情報」への対応も、最短1日のスピード感で動ける体制があります。

BeReal漏洩の初動は72時間が勝負。スピード・透明性・トップ関与の3条件が、ブランド回復のスタートラインを決めます。

目次
  1. BeRealで情報漏洩した企業の事例まとめ。何が起きたのかを時系列で整理する
  2. 情報漏洩発覚後72時間で企業に求められる初動対応
  3. ブランド毀損のリアル:株価・取引先・採用への影響を数字で見る
  4. 地方銀行A社の謝罪はなぜ「火に油」だったのか。再炎上事例から学ぶ教訓
  5. ブランド回復に成功した企業の共通点。大手化学メーカーE社の事例に学ぶ
  6. ブランド回復までに必要な5つのフェーズ
  7. 検索結果に残るデジタルタトゥーへの対策方法
  8. BeReal時代に企業が取るべき予防策。再発防止のための仕組みづくり
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ
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BeRealで情報漏洩した企業の事例まとめ。何が起きたのかを時系列で整理する

まずは2026年4月以降に発覚した代表的な事案を、業種別に整理します。「うちは関係ない」と思っている方こそ、ぜひ目を通してみてください。共通しているのは「勤務場所で、何気なくBeRealを起動した」というシンプルな構図だからです。

地方銀行A社:執務室の動画から顧客7名の氏名が拡散

2026年4月29日頃、X上で1本の動画が拡散しました。映っていたのは地方銀行A社の支店の執務室です。女性行員がBeRealで撮影した画像に、ホワイトボードに記載された顧客7名分の氏名・業績目標・PC画面が鮮明に映り込んでいました。動画の表示回数は数百万ビューに達したと報じられています。

翌4月30日、銀行は公式アカウントから謝罪文を発表しました。週刊女性PRIMEの記事では、親会社の金融持株会社の株価が前日比2.86%下落したこと、銀行法違反に直結するリスクが指摘されています。さらに、撮影されたのは投稿された当日ではなく2024年であった可能性も指摘されました。「過去に撮った画像・動画や投稿が、いま発覚する」というリスクが現実のものとして立ち上がったわけです。

項目内容
発覚日2026年4月29日(X上で拡散)
漏洩内容顧客7名の氏名、業績目標、PC画面、執務室の様子
拡散規模数百万ビュー
株価影響親会社株価が前日比2.86%下落
想定リスク銀行法違反、金融庁による業務改善命令の可能性

建設機械部品メーカーB社:取引先の金属加工メーカーC社まで巻き込まれた事例

同じく4月30日、北陸地方の建設機械部品メーカーB社も謝罪を公表しました。1945年創業の老舗企業です。ITmedia NEWSが報じた事案の経緯によれば、社員のBeReal投稿に映り込んでいたのは、社内メールを表示したモニター画面と見積書の紙。見積書には取引先である「金属加工メーカーC社」の社名が記載されていました。

事態の深刻さは、巻き込まれた金属加工メーカーC社の対応に表れています。同社にはメールと電話で問い合わせが殺到し、業務に支障が出たためWebサイトの問い合わせフォームを停止する事態に追い込まれました。

当事者ではない取引先が、自社の業務を止めざるを得なかったわけです。建設機械部品メーカーB社は声明で「弊社の情報管理体制およびコンプライアンス意識の不十分さに起因する」「金属加工メーカーC社には一切の非はなく、すべて弊社の管理不備により発生した」と明確に責任の所在を表明しています。

大手通信事業者D社・自治体・教育現場:業種を問わない連鎖発生の実態

ここで紹介した2社は氷山の一角にすぎません。2025年以降にBeReal発の漏洩が確認されている事例には、以下のようなものがあります。

業種、規模、官民の別を問いません。ブランドセキュリティ部門にいた頃、企業の風評被害は「業界特有の事情」で起きるケースが多い印象でした。けれどBeRealの一連の事案は違います。共通しているのは「勤務場所で、社員が私的なSNSを開いた」という一点だけ。誰の身にも起こり得る現象として、認識を改める必要があります。

情報漏洩発覚後72時間で企業に求められる初動対応

ここからは「もし自社で発生したら」という視点に切り替えます。漏洩発覚から最初の72時間で何をするか。この期間の動きが、その後のブランド回復のスピードと深さを決めます。

8時間以内:事実関係の確認と社内エスカレーション

危機管理広報の専門家の指針では「炎上発生後8時間以内に最初の対応が必要」とされています。最初の8時間でやるべきことは、おおよそ次の通りです。

  • 投稿の事実確認とスクリーンショット保存
  • 投稿者への連絡と削除依頼
  • 経営層・広報・法務・情報システム部門への第一報
  • 対策本部の設置と対応窓口の一本化
  • SNS上の拡散状況のモニタリング開始

ブランドセキュリティの現場で痛感したのは初動の遅れがそのまま炎上規模を決める」という事実です。最初の数時間で情報共有が止まれば、上層部の判断は半日遅れます。半日の遅れは、Xでの拡散数を二桁変えてしまうことすらあります。

24時間以内:個人情報保護委員会への速報と本人通知の判断

個人情報保護法の改正により、特定の条件下では個人情報保護委員会への報告と本人への通知が法的義務となりました。報告対象は次の4つです。

  • 要配慮個人情報(病歴、診療情報など)が含まれる場合
  • 財産的被害のおそれがある場合(クレジットカード番号、ID・パスワードなど)
  • 不正目的による漏洩の場合
  • 1,000人を超える漏洩、または1,000人超のおそれがある場合(民間事業者の場合)

報告期限は、速報が発覚日から3〜5日以内、確報が30日以内(不正目的の場合は60日以内)です。詳しい手続きや報告フォームは、個人情報保護委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料に整理されています。BeReal経由の漏洩は内容によっては該当する可能性があるため、24時間以内に法務と相談して判断を確定させましょう。

72時間以内:謝罪文公表と取引先・関係者への個別説明

謝罪文の公表、取引先への個別連絡、社内向け通達。72時間以内に動かしたいラインです。

建設機械部品メーカーB社の事例で明らかになったのは、漏洩は自社だけで完結しないという厳しい現実です。取引先のWebフォームが停止に追い込まれるほどの問い合わせが押し寄せたわけですから、こちらから先回りして連絡しなければ、相手企業に「自分たちで対処する」負担を押し付けることになります。書面での謝罪、必要に応じた代表者の訪問、責任の所在の明確化。この3点を72時間以内に動かす意志が問われます。

そして謝罪文の文言設計こそが、次の章で扱う最大の落とし穴です。

ブランド毀損のリアル:株価・取引先・採用への影響を数字で見る

「炎上しても、しばらくすれば忘れられる」。本当にそうでしょうか。データを見ると、ブランド毀損は単発のニュース消費ではなく、検索結果に紐づく中長期の信頼コストとして残り続けます。

株価への影響:平均10%下落、最大21.6%下落のデータ

サイバーセキュリティクラウドが公表した『個人情報漏洩被害公表と株価の変化に関する調査レポート』によれば、情報流出の適時開示を行った上場企業のうち、約8割で株価が下落しました。

経過期間株価への影響
公表当日〜直後(即日)約8割の企業で下落
平均下落率2.8%
最大下落率21.6%
30日後(公表から約1ヶ月後)平均5.2%下落(即日からさらに下落幅が拡大)
60日後(公表から約2ヶ月後)平均5.0%下落

別の調査では「情報流出を開示した企業の株価は平均10%下落、純利益は平均21%減少」というデータも報告されています。親会社の金融持株会社の2.86%下落は、この平均レンジの範囲内です。市場は冷静に、しかし確実に評価を下げる仕組みを持っています。

取引先・サプライチェーンへの波及損害

数字に出にくいけれど、より痛いのが取引先への波及損害です。建設機械部品メーカーB社の事例では、取引先の金属加工メーカーC社が業務影響を理由にWebフォームを停止しました。当事者企業ではなく「巻き込まれた側」が業務を止める。これは取引関係に深い影を落とします。

ブランドセキュリティの現場感覚で言えば、取引先からの信頼回復には、当事者企業以上の時間とコストがかかります。なぜなら相手の社内では「うちは被害者なのに対応コストを払わされた」という記憶が残り、契約更新や新規発注のタイミングで蒸し返されやすいからです。直接の謝罪と再発防止策の進捗共有を、最低でも半年は続ける覚悟が要ります。

採用・人材市場での長期ダメージ

もう一つ、見落とされがちなのが採用への影響です。求職者は応募前に必ず企業名を検索します。検索結果に「BeReal 情報漏洩」という関連ワードが残り続けると、応募エントリーは目に見えて減ります。

風評被害対策の現場感覚として、検索結果に残るネガティブ情報は新卒採用にも中途採用にも影響し、「過去の事案」を数年単位で引きずる前提で人事計画を組み直す必要が出てきます。

ブランド毀損は単発のニュース消費ではありません。検索結果に紐づき、中長期で株価・取引・採用の3層に響く信頼コストです。

株価は最大21.6%下落し、採用への影響は中途で3〜5年続くことも。ブランド毀損は炎上が収まっても、検索結果を通じて静かに企業を蝕み続けます。

地方銀行A社の謝罪はなぜ「火に油」だったのか。再炎上事例から学ぶ教訓

迅速な謝罪を出したのに、なぜ批判が再燃するのか。地方銀行A社の事例は、謝罪文の作り方を間違えると火に油になるという典型を示しています。

謝罪文が「拡散」を主語にしてしまった違和感

地方銀行A社が公表した謝罪文には、こうあります。「職員がインターネット上に投稿した営業店執務室内を撮影した動画や画像が、拡散された事案が判明いたしました」。

ネット炎上の研究で知られる小木曽健氏は、Yahoo!ニュース エキスパートでこの文面の問題点を鋭く指摘しています。要約すると、主語が「拡散された事案」になっているため、まるで「拡散しなければ問題なかった」「投稿そのものは違反ではなかった」と読める構造になっているという指摘です。

実際には、執務室を撮影してSNSに投稿した時点で、銀行の情報管理規程に違反しています。拡散されたかどうかは派生現象にすぎません。けれど謝罪文は派生現象を主語にしてしまった。世間が怒っているのは「拡散」ではなく「投稿行為そのものなのに、その本質から目を逸らした文面に映ってしまったわけです。

「再炎上」を招くNGパターン4つ

ブランドセキュリティの現場で何度も見たのですが、火消しのつもりで出した謝罪文が再炎上を呼ぶケースには共通パターンがあります。

  1. 受動態の多用で責任の所在を曖昧にする
  2. 表面的な現象(拡散、誤解、混乱)を主語にして本質的な違反行為から目を逸らす
  3. テンプレ的な定型文で済ませ、誠意が伝わらない
  4. 事態を矮小化する表現で影響範囲を小さく見せ、組織としての受け止めが甘く映る

特に「テンプレ流用」は要注意です。同業他社の謝罪文を流用すると、文末表現や言い回しが似通うため、読み手は瞬時に「またこの定型か」と感じ取ります。テンプレ謝罪文は確実に再炎上を呼びます。謝罪は怒りの本質を捉えることから始まる作業で、テンプレートの貼り合わせでは絶対に成立しません。

ブランド回復に成功した企業の共通点。大手化学メーカーE社の事例に学ぶ

再炎上事例の対比軸として、ブランド回復に成功した企業がどう動いたかを見ておきます。古典的ですが、いまでも参照されるのが大手化学メーカーE社の火災事故対応です。

大手化学メーカーE社の火災事故対応:4回の記者会見と即日謝罪

2002年3月に大手化学メーカーE社の工場で火災が発生した際、同社は火災が起こっている真っ只中の工場の一角で、4回の記者会見を実施しました。些細な情報も含めてすべてを早く公にすることが徹底されました。翌日には社長が現場で謝罪会見に立ちました。

結果、報道は2日で終息。むしろ「しっかりしている企業」というブランドイメージが事故後にむしろ向上した事例として、危機管理広報の教科書に載るほどの成功例になっています。

成功の核は3点に集約されます。

  • スピード(即日対応、翌日のトップ謝罪)
  • 透明性(情報の出し惜しみなし、進行中でも会見実施)
  • トップ関与(社長自らの発信)

マッチングアプリF社の171万件流出との比較で見える差

対比軸として、マッチングアプリF社での171万件の本人確認書類画像流出への対応を見てみます。流出したのは運転免許証やパスポートなど、本人確認用に提出された画像が中心でした。補償方針や対応の詳細が長期間明らかにされず、ユーザーから「信用できない」という声が殺到しました。

大手化学メーカーE社とマッチングアプリF社を並べると、回復の必須条件が見えてきます。「スピード×透明性×トップ関与」の3点が揃ったときだけ、回復のスタートラインに立てる。1つでも欠けると、信頼の積み直しはなかなか始まりません。

ブランドセキュリティの現場で印象的だったのは、回復に成功した企業はクライシスを「自社のブランドストーリーの一部」に組み込んでいたという点です。「あの事故をきっかけに、私たちはこう変わった」。その語りを誠実に積み重ねる企業は、数年後に振り返るとむしろブランド価値が高まっていたりします。

ブランド回復までに必要な5つのフェーズ

ここまでの内容を踏まえて、ブランド回復のプロセス全体を5つのフェーズに整理します。それぞれに目安期間があり、各フェーズでやるべきことが異なります。

フェーズ1:火消し(発覚〜2週間)

最初の2週間は「とにかく止血する」期間です。事実確認、関係者通知、謝罪文公表、取引先への個別対応。同時にSNSと検索結果のモニタリング体制を立ち上げます。経営判断は時間との戦いになるため、平時の会議体ではなく対策本部を機能させてください。

フェーズ2:透明性確保(2週間〜1ヶ月)

止血後の2週目以降は、原因究明と中間報告のフェーズです。外部の専門家による第三者調査を入れ、再発防止策の方向性を策定して公表します。「いま分かっていること」と「まだ分かっていないこと」を分けて発信できるかが、信頼の積み直しを左右します。

フェーズ3:再発防止の実装(1〜3ヶ月)

社員研修、社内ルールの改定、技術的対策(MDM導入など)、SNSガイドラインの策定。決めた施策を実装するフェーズです。実装の進捗をオープンに発信し続けることで「言うだけの会社ではない」という事実を市場に伝えます。

フェーズ4:信頼の再構築(3〜12ヶ月)

ここからは中長期戦です。継続的な情報発信、顧客との対話の場づくり、CSR活動、メディア露出の質的改善。事故後にどう変わったかを定量・定性の両面で示すフェーズです。

フェーズ5:ブランド再定義(1〜2年)

最後は中長期PRプランによるブランドストーリーの再構築です。検索結果のクリーン化(ブランドSEO)と、風評モニタリングの常態化を同時に進めます。

ブランドセキュリティの現場でよく見たのは、フェーズ1で止まってしまう企業の姿でした。「謝罪文を出して、削除依頼を出した。これで終わり」と区切ってしまうケースです。けれどフェーズ1で止まる企業は、2年経っても採用に響き続けます。検索結果は2週間では塗り替えられません。フェーズ2以降を地道に積むかどうかで、ブランド回復のゴールが見えるか見えないかが決まります。

検索結果に残るデジタルタトゥーへの対策方法

回復プロセスの中で、もっとも厄介なのが「検索結果に残り続けるネガティブ情報」、つまりデジタルタトゥーです。ここはブランドセキュリティ部門時代に最も多くの時間をかけた領域なので、少し詳しくお話しします。

デジタルタトゥーが企業に与え続ける3つの被害

デジタルタトゥーとは、SNSやインターネット上に投稿された情報が拡散され、半永久的に残り続ける現象を指します。スクリーンショットや転載によって複製が広がるため、元投稿を削除しても完全には消せません。企業が受ける被害は大きく3つに分けられます。

  • ブランド毀損の継続化(過去の不祥事が現在進行形のように見える)
  • 取引先・金融機関からの信用喪失(与信判断のマイナス材料になる)
  • 採用エントリーの減少(求職者が応募を控える)

特に厄介なのが2番目です。新規取引の与信審査で「過去の漏洩事案」を持ち出されると、契約条件が不利になったり、最悪の場合は取引そのものが見送られたりします。

削除依頼・ブランドSEO・継続モニタリングの三層対策

現実的な対策は、3つのレイヤーを組み合わせる方法です。

対策レイヤー内容効果が出るまでの目安
削除依頼自身の投稿は即削除、第三者投稿は投稿主に依頼、まとめサイトは運営者に申請、対応困難な場合は弁護士による発信者情報開示請求即時〜数ヶ月(裁判になる場合は1年程度かかるケースもあり)
ブランドSEO(逆SEO)ネガティブ記事の検索順位を下げ、ポジティブな自社コンテンツで検索結果1ページ目を埋める3〜12ヶ月
継続モニタリングイメージチェッカーなどのツールで検索結果と関連サジェストを常時監視、新しいネガティブ情報を早期発見常態化(永続)

特に重要なのが2番目のブランドSEOです。削除依頼だけでは追いつかないことが多く、ポジティブコンテンツを継続発信して検索結果を健全化していくアプローチが、長期的にもっとも効きます。エルプランニングでは、こうしたブランドSEOによる風評被害対策を15年以上にわたり提供してきました。「最短1日」というスピード感で対応にあたる体制があるのも、対策ノウハウが蓄積されているからこそです。

ブランドセキュリティの現場で何度も実感したのは、削除依頼一本では絶対に追いつかないということです。第三者が投稿したスクリーンショットや、他のまとめサイトへの転載を全部追い切るのは現実的ではありません。ポジティブコンテンツの継続発信こそが、長い目で見たデジタルタトゥー対策の本丸になります。

BeReal時代に企業が取るべき予防策。再発防止のための仕組みづくり

最後は、未然に防ぐための仕組みづくりです。ここまで読んでくださった方の多くが、本音では「漏洩した後の対応より、起こさない仕組みをつくりたい」と考えているはずです。

「SNS禁止」では止まらない理由とZ世代の行動特性

「会社でSNSを禁止すれば解決する」。残念ながら、これは効きません。なぜならZ世代社員にとって「私生活とSNSと仕事は地続き」だからです。リアルタイム共有がすでに生活習慣に組み込まれている世代に対して、「禁止」の指示だけで行動変容を起こすのは難しいのが実情です。

加えて、BeRealには独自の構造的問題があります。1日1回ランダムな通知が届き、2分以内に投稿しないと友達の投稿が見られない。この時間制限は「ここで撮って大丈夫か」「背景に何が映っているか」を確認する余裕を奪います。設計そのものが思考停止を促すアプリなのです。

名指し研修と具体ルールの設計

研修内容は「SNSを適切に使いましょう」という抽象論では効きません。社員の頭に残すには、こういうレベルの具体性が必要です。

  • 「BeRealに執務室の画像を上げたら、就業規則に基づき懲戒処分の対象」
  • 「業務中の私物スマホによる撮影は、内容を問わず禁止」
  • 「ホワイトボードは退勤時に必ず消去、議事録はクラウドで管理」
  • 「PC画面のロックは離席時5秒以内、机上の書類は退勤時すべて施錠」
  • 「私物スマホはロッカーに預け、使用できる場所(部屋)を限定」

抽象論ではなく、アプリ名と具体的な行動を名指しで紐付けたルール。これが行動変容を起こす起点になります。同時に、不適切投稿が同僚や取引先のキャリアにも影響するという「波及効果」を共有することも大切です。

入社時から続く「SNSと仕事の境界線教育」

新卒研修の1日だけで完結する話ではありません。継続的な教育設計が要ります。

  • 入社時:法令・社内規程・SNSの構造的リスクの基礎教育
  • 入社半年:模擬事案ワークショップ(実際の漏洩事例を題材にディスカッション)
  • 入社1年:内部監査と振り返り
  • 毎年:最新のSNSトレンドと事故事例のアップデート研修

エルプランニングがクライアント企業に提供している研修プログラムでも、15年以上に渡る風評被害対策のノウハウを活かして、業種別・職種別にカスタマイズした内容を組んでいます。「うちの社員はZ世代じゃないから関係ない」という油断は禁物です。BeReal漏洩の事例には、30代後半〜40代の社員が当事者になったケースも含まれています。

予防への投資は、事後対応のコストの数十分の一で済みます失った信頼を取り戻すのに何年もかかることを思えば、研修やルール整備に半年かけるくらいは安いものです。

よくある質問(FAQ)

Q: BeRealで情報漏洩が発覚した場合、まず何をすべきですか?

最初の8時間で投稿の削除依頼と社内エスカレーションを終え、24時間以内に個人情報保護委員会への報告要否を法務と判断、72時間以内に謝罪文と取引先への個別連絡を完了させてください。スピード感がそのまま炎上規模に直結します。

Q: 情報漏洩の謝罪文で絶対にやってはいけないことは何ですか?

受動態で責任を曖昧化すること、現象(拡散、誤解)を主語にして本質的な違反行為から目を逸らすこと、他社の謝罪文を流用してテンプレ的に済ませること。世間が何に怒っているかを正確に把握し、その本質に向き合った文言にしてください。

Q: ブランドが完全に回復するまで、どれくらいの期間がかかりますか?

火消し2週間、透明性確保1ヶ月、再発防止実装3ヶ月、信頼再構築1年、ブランド再定義1〜2年が目安です。検索結果のデジタルタトゥーは半永久的に残るため、ブランドSEOによるクリーン化は継続施策として続ける必要があります。

Q: 株価や売上にはどれくらいの影響が出ますか?

サイバーセキュリティクラウドの調査では、情報流出を公表した上場企業の約8割で株価が下落、最大下落率は21.6%、平均では公表直後2.8%、30日後5.2%、60日後5.0%まで下落幅が拡大しました。BeRealの地方銀行A社事例でも、親会社株価は前日比2.86%下落しています。

Q: 取引先まで巻き込まれた場合、どう対応すればよいですか?

24時間以内の個別連絡、書面での謝罪、必要に応じた代表者の訪問、責任の所在の明確化が基本です。建設機械部品メーカーB社のように「一切の非はなくすべて当社の管理不備」と表明することで、取引関係維持の意志が伝わります。半年〜1年の継続的な進捗共有も忘れずに。

Q: 社員のBeRealをアンインストールさせるべきですか?

機密情報を扱う職種では削除推奨が現実解です。全社一律禁止は実効性に乏しいため、職種別のリスク評価に基づいて段階的に判断してください。同時に名指し研修・具体ルール・物理的な環境整備(机上整理、画面ロック)を組み合わせることが大切です。

Q: 検索結果に残るネガティブ情報は完全に消せますか?

完全削除は困難です。スクリーンショットや転載で複製が広がるため、削除依頼だけでは追いつきません。ブランドSEOでネガティブ記事の検索順位を下げ、ポジティブコンテンツで検索結果1ページ目を埋める施策が現実解になります。継続的な風評モニタリングと併用してください。

まとめ

BeRealで情報漏洩した企業の「その後」は、株価・取引先・採用の3層で長期に響く信頼コストとして残ります。回復までには5フェーズ、最短でも1〜2年の道のりです。地方銀行A社の謝罪文が再炎上を呼んだ失敗と、大手化学メーカーE社が4回の記者会見で信頼回復を果たした成功を並べると、回復に必要な条件が見えてきます。スピード、透明性、トップ関与の3点セットです。

そして検索結果に残り続けるデジタルタトゥーには、削除依頼だけでなくブランドSEOによる継続的な対策が必要になります。失った信頼を取り戻す難しさを知っているからこそ、予防への投資が最大のリターンを生むと、私は強く感じています。

もし「自社のブランドSEOやSNSリスク研修を相談してみたい」という気持ちが少しでも芽生えたなら、まずは小さな一歩から始めてみてください。15年以上の対策実績を持つエルプランニングは、予防から事後対応まで一貫してサポートしています。あなたの会社のブランドが、これからも誠実に積み上がっていくことを願っています。

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監修者
清水陽平弁護士