SNS RISK TRAINING / TALK SESSION
第1回座談会レポート
年間を通じてさまざまな企業・団体の研修に向き合う講師3人と、社内マーケターの司会が、最近の相談内容、受講者に刺さる事例、講師自身のSNSとの付き合い方、そして「いいね」やリポストのリスクについて語りました。
MEMBERS
参加メンバー
マネージャー
Iさん
研修チームを統括。企業ごとの課題に合わせた研修設計と講師育成を担当。
研修講師
Yさん
受講者との対話を大切にし、現場の疑問を引き出しながら研修を進行。
研修講師
Wさん
身近な事例を交えた、わかりやすく実践的な講義を得意とする。
マーケター/司会
Mさん
社内マーケター。今回は司会として、講師3人の本音を深掘りする。最近のSNSリスク研修、どんな相談が多い?
Mさん
本日はよろしくお願いします!早速ですが、最近はお客様からどんな相談が寄せられることが多いですか?
Iさん
問い合わせの段階で、対象者や目的がはっきりしているケースが増えましたね。例えば「新入社員に向けに」とか「全社の意識を統一したくて」とか。以前は「とりあえず情報収集で…」というふうにふんわりした相談も多かったんですが、最近はSNS炎上のニュースが明確になってきたこともあって、企業の危機感が強くなっているのを感じます。
Mさん
実際に社内でトラブルが起きてしまって、事後対応として研修をやるケースと、未然に防ぐためにやるケースだと、どちらが多いんでしょうか?
Yさん
これまでは「実際に起きてしまって、必要に迫られて」という企業様が多かった印象ですね。
Iさん
そうですね。ただ、最近は他社の情報漏洩などの大きなニュースを見て、「自社ではまだ起きてないけど、今のうちに対策しておきたい」というご相談も少しずつ増えてきました。
Wさん
同業界でトラブルがあると、近くの会社が「ワッ」と一斉に動く傾向はありますよね。金融業界や番組制作会社などで炎上があった時は、やはり同業他社様からのご相談が増えました。
Mさん
なるほど。研修の内容は企業ごとにカスタマイズしていると思いますが、「これを絶対に入れてほしい!」という要望はありますか?
Iさん
圧倒的に「自社や同業界の事例を厚くしてほしい」という要望が多いですね。データや数字よりも、リアルな事例を知りたいというお声をよくいただきます。
Yさん
私は著作権などの権利関係やAIについてのご要望をよくいただきます。ただ、オンラインの座学だとどうしても飽きやすいので、定着度を上げるために〇×クイズなどをこちらからご提案しています。業務に直結した事例を使ってご自身で考えてもらう方が、圧倒的にイメージが湧きやすいんですよね。
Wさん
最近のリアルな課題で言うと、「シャドーIT」の相談も多いです。
Mさん
シャドーITですか?
Wさん
はい。例えば、会社が許可していない個人のLINEアカウントをお客様と交換して、仕事のやり取りをしてしまうケースです。ある不動産会社様の事例では、担当者とお客様が個人LINEでやり取りをしていて、契約破談を機に担当者が怒ってしまい、そのLINEのスクリーンショットをSNSに晒されて炎上してしまった……ということがありました。
Mさん
それは怖いですね……。クローズドな場でのやり取りだからと油断していると、そこからX(旧Twitter)などに拡散されるわけですね。
Wさん
そうなんです。だから研修では、事例を紹介した後に「だから会社ではこういうルールに決まってるんだよ」と念押しするフェーズを入れるようにしています。担当者様からも「そこを強く言ってほしい」と要望されることが多いですね。
受講者の目が覚める!鉄板の「刺さる」事例とは?
Mさん
実際の研修で、受講者の反応が良い「鉄板の事例」ってありますか?
Iさん
私はLINEの事例ですね。全社研修の場合、年齢層が幅広いので、若者向けのTikTokなどの話をしても年配の方にはピンとこないんです。でも、「LINEでもこういうトラブルがあって、それが拡散されてしまうんですよ」と話すと、役職者の方々も「ひーっ!」って顔をして聞いてくれます(笑)。
Wさん
若手向けだと、「写真の悪気ない写り込み」の事例ですね。個人的なお菓子の写真を撮っただけなのに、後ろに機密情報が写り込んでしまっていた、みたいな。悪気はなくてもミスに繋がるからルールが必要なんだよ、と伝えると、自分ごととして捉えてもらいやすいです。
Yさん
私も写り込みの事例はよく使います。工場でも美容系の現場でも、今はスマホを持ち込んで写真を撮る機会が多いので、「確かにそういう可能性あるね」と納得していただけますね。
Mさん
他にも、おすすめの研修内容はありますか?
Wさん
学生や若手向けにやった「炎上の追体験(特定されるまでのデモンストレーション)」はすごく反応が良かったです。過去の投稿の制服などのちょっとした情報から、画像検索などを駆使して、どうやって個人が特定されていくのかを実際にお見せするんです。
Mさん
えー!それはめちゃくちゃ面白そうですね。震え上がりそう(笑)。
Iさん
あとは、炎上した実際の投稿を見て「何がダメだったのか」をグループで話し合うワークも人気です。受講者の年齢や立場によって「会社が守ってくれないのが悪い」という意見が出たり、「いや、そもそも投稿させた本人の管理不足だ」という意見が出たりして、視点の違いを知る良い機会になっていますね。
Mさん
へー!同じ事例を見ても、立場によってそんなに意見が割れるんですね。単に知識を入れるだけじゃなくて、社内の色々な視点を知るきっかけにもなりそうです。そういったワークを取り入れられるのも、うちの研修の強みですね!
SNS研修講師のリアルな日常(裏話)
Mさん
皆さんはSNSリスクのプロとして人に教える立場ですが、普段ご自身のプライベートでSNSを使う際に気をつけていることってありますか?
Iさん
めちゃくちゃありますよ!私はInstagramのストーリーズをリアルタイムであげなくなりました。必ず時差投稿にしています(笑)。あと、一緒にいる友人の顔写真を載せる時は、絶対に「これ載せていい?」って許可を取るようになりました。
Mさん
素晴らしい徹底ぶり(笑)。
Yさん
私は写真の写り込みが怖いので、特定の物だけをドアップにして切り取った写真ばっかりになりました(笑)。背景が写らないようにしています。
Wさん
わかります!お店の写真を撮る時も、「ここは撮影OKなのか」をすごく確認するようになりましたね。趣味のアカウントでも、意図しないところでバズったり炎上したりするのが本当に怖いので、タイムリーな話題や、みんなが検索しそうなワードは避けるようにしています。
Iさん
あとは、炎上ニュースを見ると、つい時系列や企業の謝罪文の対応を細かくチェックしちゃいますね。「あ、この対応早いな」とか(笑)。
Yさん
見ちゃいますね。「ちゃんと理由も書いてる!」とか、職業病かもしれないです。
Wさん
SNSの反応も絶対見ますよね。どんな意見が出ているのかをチェックして、研修の事例として使えるかも、と考えながら見ています。
Mさん
すごい、皆さん常にアンテナを張っているんですね!日々そうやって最新の事例や世間の反応をアップデートしているからこそ、受講生の方に刺さるリアルな研修ができるんだなと納得しました。講師陣の皆さんのプロ意識を感じて、すごく頼もしいです!
実は怖い「いいね・リポスト」のリスク
Mさん
受講後のアンケートなどで、特に反響が大きかった内容はありますか?
Iさん
最近だとやっぱり「リポスト(リツイート)や『いいね』のリスク」ですね。これは年代問わず、みんなすごく刺さってます。
Wさん
そうですね。「自分は絶対に誹謗中傷なんて書き込まない」と思っている人でも、他人の名誉毀損に該当するような投稿をうっかりリポストしたり、「いいね」を押したりしただけで、同罪として訴えられた判例があるんです。
Mさん
えっ、「いいね」しただけでも訴えられるんですか!?
Iさん
そうなんです。賛同の意味で拡散に加担したとみなされるケースがあるんですよね。だから、うかつに反応するのは危険なんです。
Wさん
デマ情報の拡散も同じです。例えば震災時のデマなどをうっかり拡散してしまうと、実際の捜査に影響が出るとして厳しく取り締まられる可能性があります。「リポストする時も気をつけようと思いました」という感想は本当に多くいただきますね。
Mさん
いやー、私も研修受けた方がいい気がしてきました(笑)。
研修をご検討中の担当者様へメッセージ
Mさん
最後に、SNSリスクリテラシー研修の導入を検討されている担当者の方へ、一言メッセージをお願いできますか?
Iさん
冒頭でもお話ししましたが、何かトラブルが起きてしまってからの対策や規則やリスクの再周知としての研修ももちろん重要です。しかし、起きてからだと、会社のブランドを回復させるために費やす時間やコストがどうしても膨大になってしまいます。トラブルが起きていない平時のうちに、全従業員のリテラシーを統一し、底上げしておくことが何よりも重要です。ぜひ、「起きてからの対処」ではなく「未然に防ぐための予防策」として、研修の導入をご検討いただければと思います!
Mさん
本日は貴重なお話をありがとうございました!